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黒白ノ風
321 手違
 「孤独は辛い・・・それを再確認した30年間だった。時の流れというものは酷なものでな、楽しい時は刹那に過ぎ去ってしまうというのに辛い時は遅くじわじわと我を蝕む…・・・そしてある時、我はふと思った・・・30年ほど前に元いた世界へと帰されたおぬしの母親も苦しんでいるのではないかと・・・こちらの世界とあちらの世界では時の時差がある。こちらの世界での“1年”の経過はあちらの世界では“2年”の経過となる。…まぁ、我が時空間口寄せを使いすぎたせいで今は違うがな」

 「・・・」
ということは、おばばは突然日本からいなくなり、その20年後に再び日本へ戻されたということか。
それも木の葉の里にいたという記憶を失ったまま。
考えてみれば日本の20年後なんて風景や法律、服装や嗜好までだいぶ変わる。
そんな中に時代遅れともいえるおばばが飛ばされたのか…
 「やっと過ちに気付いた我は30年の時を超え、今から3年前に再度あやつを呼び出したのだ」

 「・・・しかし、出てきたのはサチ、おぬしだった」
 「・・・」
最初、真白は私ではなく、おばばを呼び出すつもりだったのか。

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あきゅろす。
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