黒白ノ風
319 原因
「結婚を前提に・・・でも、何で?」
おばばはその時まで、きっと幸せだったのだろう。
何故壊されてしまったのだろうか。
「それは…」
「・・・」
「・・・クロが、殺されてしまったからだ」
「え…!?」
誰に…
「当時、おぬしの母親に思いをつのらせているものがもう一人いた」
「・・・」
「そやつは、数年前に里抜けした大蛇丸だった…」
「オロッティーが!?」
…意外だ。
「おぬしの母親は何故か大蛇丸と気が合ってな、大蛇丸が里抜けする前もした後もよく会っていたのだ」
「そうなんだ…」
話し方とか似てるって思ってたけど、結構気が合うものなのか。
「大蛇丸はしだいに思いを寄せていった。しかし、おぬしの母親にはクロがいた。そこでクロが邪魔になった大蛇丸はクロを…」
「・・・」
殺しちゃったんだ…
許し難いことだけど、それほどおばばへの思いが強かったのか。
・・・ちょっと待てよ。
「クロさんって強かったんでしょ?」
「…?あぁ、そうだが…」
「じゃあさ、何で昔の大蛇丸なんかにやられちゃったの?」
「・・・サチは幻術を使ったことはあるか?」
「?・・・ないけど、幻術返しならなんとか…」
何でいきなり幻術の話?
「柏は優れた一族だった…しかし、大きな弱点もあったのだ」
「・・・なに?」
「幻術が使えないことだ」
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