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黒白ノ風
310 焦惑
 「まずは詫びておく…すまなかった」
 「・・・うん」
…真白が謝る必要はないと思うけど。
まぁ、嘘をついていたあたりはちょっと許せなかった。

 「話してくれるの?」
 「あぁ…何でも聞くといい」
何でも…か。
私がまず聞きたいことは…
 「あのさ、私ってその、柏…一族なの?」
自分自身のことだ。
 「・・・おぬしが柏一族ということは真実だ。どこから入手した情報かは知らぬがな…」
 「・・・マジか」
あんまり実感湧かないな…
というか何故あっちの世界で普通に暮らしていた私がこっちの世界のだいぶ前に滅んだ一族の血が流れている?

 「・・・で、何でそれを今まで隠してたの?」
 「…知らぬ方がよいと思ったのだ」
 「・・・」
知らぬが仏…そういうことか。

 「何で隠す必要があったの?それは私に関係してるんだよね。というか私もともとあっちの世界にいたんだけど、どうしてこっちの世界の一族の血が流れてるの?それはおばばが何か関係しているの?あ、あと…」
まだ聞きたいことは沢山ある。
 「話そう」
私の焦燥と戸惑いの混濁した感情をあやすかのように真白は静かに言った。
 「…ごめん、質問しすぎた」
 「・・・質問に答えよう。全ての最初からな…」

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あきゅろす。
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