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黒白ノ風
300 忘物
 「…はいはい。赤砂のサソリさんはすごいですねー」
 「・・・」
 「そだ、あの刀…何?」
 「一種の封印術を施した普通の刀だ」
 「へぇー…そんなの作れるんだ」
 「俺にかかればそんなこと造作もねぇ」

 「はいはい・・・あー、何か疲れたなー」
何かに解き放たれたかのように体をめいいっぱい伸ばし、深呼吸をした。
不意に一族とか、生き残りとか、大蛇丸の言っていたことが頭をよぎる。
「あ、んじゃあ私帰るわ」
そのことを家でじっくり考えようと瞬身の術を使おうとしていた時だった。

 「…待て」
 「・・・え?」
サソリが私を引き止めた。
 「忘れものはねぇか?」
 「忘れ物…?」
わすれもの?
…この場所での忘れ物。
・・・


 「分からねぇか・・・だったら俺様が教えてやるよ…」
サソリはそう言うとこちらに歩み寄ってきた。
なぜだか分からないが自らの心臓が普段より速く波打っているのが分かった。
 「サチ…」
サソリが私の髪に手をかけ、サラ…ととく。
 「意外に綺麗な髪してんだな」
 「…なっ」
何故今それを言う?
チュ…
私が声をあげようとした時、サソリの唇がほっぺに触れた。
 「ぁ・・・」
冷たかった。
が、同時に温かかった。
 「風影殺した時に助けてくれた礼だ」
 「…サソリ」
少し照れ気味に話すサソリと頬の感触を再度確かめる私。
二人はそのまま…


 「ヲイ待て!!!」
 「え、何さ?」
人がせっかく妄想繰り広げてんのに。
 「忘れ物って単語だけでそんなに妄想を繰り広げてんじゃねぇよ!!俺は今そんなに繰り広げられるサチに恐怖を覚えた!」
 「妄想は自由だ!v」
 「お前の場合現実にしそうだから危ねぇんだよ!!」
 「で、忘れ物って何??」
 「・・・うちはサスケだ」
 「あ…。」
すっかり忘れてた。

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