黒白ノ風 298 戦略 「自信家のサソリさんはやっと急所を隠す気になったんですか」 「フン、俺の勝手だろ」 「私のおかげで死ななくて済んだじゃん」 「…へっ、それよりお前そんなに俺に死んでほしくなかったんか?混乱して何しでかすかハラハラしたぜ」 「なっ・・・だ、だってさ」 言葉がうまく出なくて俯く。 サソリが死んだかと思って、それで頭がいっぱいになって… 「あ?」 「だって、ホントに死んで欲しくなかったから」 言葉が脳に伝わる前に口から飛び出した。 するとサソリは 「・・・そ、そうかよ」 少しばかり驚いたような表情を浮かべるとそう返答した。 今サソリが何を思っているか私には分からない。 そんな時、 「クク…」 突然大蛇丸が無気味な声を上げて笑い出した。 「オイオイ、随分と余裕だなァ・・・大蛇丸よォ…」 「フフ、ワタシは完全な存在よ。そんな刀じゃあ死なないわ」 「ヘッ、そうだな」 「・・・」 サソリはこれからどうするつもりなのだろうか。 私とサソリが一緒に戦えばどうにかなる相手だ。 [←][→] [戻る] |