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黒白ノ風
281 意込
 「サスケと会ったのか?」
 「…うん」

先程ヤマト隊長に起こされ、ぼーっとする頭で思い付いたかのように横を見た。
そこには無言で俯きながら微量な殺気を醸し出しているナルト。
ナルトはサスケと再会を果たしたらしく、ピリピリしていた。
そして、私が起きたということを知ったナルトは話し掛けてきた。

 (サスケはどうだった?)
 (まだ帰らないって)
 (まだ…まだってことは帰って来んのか?)
 (…分からない)
きっとサスケはイタチに復讐するまでは絶対帰らない。
私はナルトの気持ちも配慮して答えをあやふやにした。
これから私がサスケについてどんな行動を起こしていけばいいのか迷っているからというのもある。

 (・・・強くなっていた)
 (…?)
 (今の俺と同等の強さかもしれねぇ。スピード、瞳術が突出していやがる)
 (・・・)
今のナルト…暗部のナルトと同等の強さ?
原作ではそんなに強くなっていなかったはず…
…ありえない。
しかし、暗部のナルトがそう実感したのだからそのことは間違いないだろう。

 (今まで暗部に所属しているから、俺は強ぇ…って過信したままなんとなくすごしていた。今回の出会いで俺の考えは間違っていることに気付いた。)
 (そか)
意気込みが違う。
まっすぐと前を見据えるナルトの瞳にはサスケが映っているような気がした。
ナルトはこれからもっと強くなるだろう。
雰囲気でそう思わせられた。

天地橋篇 完

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