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黒白ノ風
267 誤考
ボッ
静かに耳に残る音が私の手元から発せられた。
ぱちぱちと音を立て、纏わり付いていた木がしだいに燃える。

私が手の平でチャクラを変換した性質は、火だ。
それをただ手の平より放出しただけであっという間に私の行動を制限する枷は燃え尽きた。
やっぱり木だから火には弱いよな。
これで燃えないなんてことになったら困っちゃうよ。

 「やっとやる気になってくれたかい?」
やれやれ…と呟きながらヤマトは更に木を出現させた。
ボォッ
それに対し、火の性質のチャクラを扱い当然の如く木を燃やし尽くす。

 「これならどうかな?」
ヤマトは再び木を出現させる。
 「何度やっても同…」
私は同様に頭上に張り巡らされた木を燃やした。
しかし、燃やした木の灰や焦げた大木の片が頭上からぼとぼとと落ちてくるではないか。
 「うわっ!」
咄嗟に避ける。
…なるほど…敵の頭上に木遁の木を張り巡らせれば勝手に敵が木を破壊して下敷きになるっていう寸法か。
先を見ない馬鹿にしか通用しない方法だけどね。
 「・・・」
・・・あれ?…馬鹿?
…私引っかかったよね。
・・・・・・・・・
・・・

…なるほど…敵の頭上に木遁の木を張り巡らせれば勝手に敵が木を破壊して下敷きになるっていう寸法か。
運動神経抜群で華麗な身のこなしを持った“私”じゃなかったら下敷きになっていたところだよ。
はっはっは。
流石木遁の扱いに長けているといったところかね。
・・・うん。
…あぁ、何だかいたたまれない気持ちになってきた。

 「一人でにやにやしている暇はないよ!」
ヤマトは攻撃の手を緩めない。
 「・・・」
私は無言で魔法の懐に手を突っ込んだ。
そこから顔を出したのは赤い…
赤いキャップがチャームポイントのマヨネーズだった。


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あきゅろす。
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