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黒白ノ風
257 親睦
このサイのセリフ…いつかは言うと思っていたけど、いざ聞いてみるとこんなに…腹立つんだ。
 「サイ…だっけ?サスケの悪口はやめてくれるかな?」
…何も知らないくせに。
噂や思い込みの勘違いを口に出さないで欲しいかな。
 「事実を言ったまでです」
 「あんなに綺麗な墨絵を書くのにね…」
 「・・・?」
私は瞬身で移動する。
 「そういう言い方するんだ?」
背後からだだもれの殺気をサイにぶつけた。
 「・・・!!!」
ドサッ
サイはかくんと足から崩れ、地面に腰を打ち付けた。

 「・・・ぁ…」
冷や汗を額、頬から滝のように垂らすサイ。
固唾を呑みながら硬直している。
対して私はそんなサイを冷たい目で見下ろし、続けた。
 「ねぇ、もうそういう言い方さ…」

 「サチってば!!」
 (そろそろやめておけ)
 「・・・」
 (まだ足りないんだけど)
 (俺もだ…だけど、ホラ)
ナルトは目だけを横へとやった。
その先にはヤマト隊長。
腕を組んだまま私とサイを見ていたのだった。
…ほんとだ。
やば。

これまで私達の争い(一方的なリンチ)を見ていたヤマト隊長は口を開いた。
 「・・・これはボクからの提案なんだけど…親睦を深めるためにこのまま檻にぶち込まれのと温泉付きの宿場で一泊するの、どっちがいい?」
 「間をとって豪華ディナーとマッサージ付きのホテルがいいです!」
不穏な空気を何とかするべく私は笑顔で言ってみせた。
 「…ヤマト隊長そんな金持ってないと思うってばよ」
乗ってくれたのはナルトだった。
 「ちょっとナルトー、ホントのこと言っちゃ駄目よ?」
 「そういえば本当のことは人を傷つける…と本に書いてありましたね」
それにサクラ、サイまでもが便乗してくれた。
 「…はは・・・キ、君達…しょうがないから普通の温泉付き宿場にでも逝こうじゃないか…ハハ」
そんな微妙な連携プレイに少し涙目になるヤマトだった。


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