黒白ノ風
257 奥底
「やっぱりてめーは駄目だってばよ!すっげーむかつく!!」
サイを指差しながら敵意丸出しで言い放つナルト。
それを見兼ねたヤマト隊長が
「おいおい!班にはチームワークが大切だってカカシさんなら教わったはずだ…なのにカカシ班にいたキミが何だよそれ」
少々の苛立ちと混沌の混じった声で言った。
…でもカカシ先生のとこにいたからって言われてもね…
「カカシ先生なんて会うたびにマヨネーズまみれになってただけだよー?誰かにいかがわしい本爆破されてたしぃ」
「それやったのはサチだってば…とにかく!こいつはカカシ班の班員じゃねぇ!・・・カカシ班もう一人の班員は…サスケだ!こんな奴班員として認めねぇ!」
声を荒げた。
「…僕もそっちの方が気が楽だよ」
「…なに?」
「弱いくせに力だけを求めて大蛇丸のもとへと走った…そんな大蛇丸と同じようなゴミ虫ヤローと一緒にしないで下さい」
…ナルトのチャクラが表面上ではないどこかの奥底で激しく波たった。
私もだ。
これは、怒り。
裏のナルトもなんだかんだいってサスケのことになると感情的だということが伺えた。
「・・・」
それにしても…
サスケが力だけを求めて?
・・・ゴミ虫ヤロー?
「てめー!…」
拳を突き出し地面を踏み込むナルトをサクラが制した。
そして続ける。
「確かに大切なのはチームワークよ。ナルトは・・・アナタのことまだよく知らないから言い過ぎたところもある…ごめんなさ…」
しかし、その言葉も途中で遮られた。
「ちょっちいいかな…?」
私が水を差したのだった。
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