黒白ノ風
255 姑息
「失礼します」
パタン
静かにドアを閉め、その人は執務室へと入室。
格好は…暗部装束。
猫の面を被り、静かに佇んでいた。
「綱手様、その者は?」
一瞬私に目をやり、一言。
この声…
・・・あ!ヤマト隊長じゃん!
コードネームはテンゾウだったっけ?
綱手お姉サマに呼ばれたんかな?
「テンゾウか。丁度いい・・・そこにいる間抜け面は水野サチ…暗部のコードネームは因幡・・・これからお前が配属されるカカシ班の一人だ」
綱手は険しい顔のまま私の機密情報をたんたんと漏洩した。
「・・・え」
…ちょ、私面付けてないんですけど。
いきなり自己紹介?
「因幡?…どこかで聞いた名前ですね」
何故か私のコードネームに反応したヤマト。
…お、私にも通り名というものがあったのか。
「…確か…マヨラーの因幡!・・・って先輩が言っていたような…」
ま、まよらー・・・
びみょー。
…まてよ、先輩が言ってたってことは・・・カカシ先生がつけた通り名か。
裏でこそこそと姑息な。
「サチも隊長に正体明かしておいたほうが行動しやすいだろう?」
「うん」
確かに。
私が暗部ってことカカシ先生が知らなかった時本当動きにくかったよな。
波の国らへんの時“サチ何者?”とか言われたりして疑われてたし。
「…さて、テンゾウ。今回の任務は通常通りに行う。よってコードネームを付ける。任務の間はヤマトと名乗れ」
「解りました」
面を外し、素顔があらわになったヤマト。
…それにしてもコードネーム…いい響きだ。
「綱手お姉サマ〜、私はコードネームとか何かないの?」
「あるわけないだろうが・・・もし付けるとしたらマヨラーになるが…」
「遠慮しておきマス」
「ヤマト、…この後すぐに班の顔合わせをしてくれ」
「はい」
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