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黒白ノ風
254 負考
バサバサ…
無造作に放り投げられた書類が一枚一枚風に遊ばれているのが見える。
目の前には無言の綱手。
沈黙の時間は長く、まるで死刑宣告でも待っているかのような気分だった。

 「・・・はぁ」
ため息が漏れる。
もちろん漏らしたのは私ではない。
 「・・・」
 「…ったく・・・お前の母親もお前みたいによく里抜けした大蛇丸のところに行ってたもんだよ」
 「・・・え?…おばばが、オロッティーのとこに!?」
 「あぁ、昔の話だがな」
 「仲良かったんだ…」
 「まぁね、蛙の子はやっぱり蛙の子だね」

 「・・・さて、理由はともかく・・・暁のスパイ疑惑でお前に監視が付くことになった」
 「・・・え?」
監視が付く?
…って?
 「そのままの意味だよ。ダンゾウが危険因子を野放しには出来ないってね…全く最悪な奴に目ェつけられたな」
ダンゾウ・・・ダンゾウ?
…あぁ、あの包帯ぐるぐるのパイナップルじじいか!
 「…えー、私あのパイナップルじじい嫌いなんだけど」
 「しょうがないだろ」
・・・まぁ何度も暁にお邪魔してる私が悪いのか。

それにしても、監視とは通常影からこっそりとターゲットを観察することをいう。
綱手お姉サマが監視のことを私に言った時点で意味が無いんじゃ…
 「あのさ、私に監視が付くこと言って良かったの?」
 「フン、アタシはお前を信じているからね…あいつの子供ってのもあるかもな」
 「流石!」
あぁおばばがいてよかった。
初めてそう思ったよ。

…ん、誰か来た。
・・・コンコン
私が気配を察知してものの数秒で入口のドアが叩かれた。
 「・・・入れ」
ガチャ
そう音を立てて入って来たのは…


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あきゅろす。
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