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黒白ノ風
253 板越
無機質な廊下。
ほのかに木の香りがして心地好い空間だ。
しかし、私の心境は荒れている。
原因は今まさに目の前にある空間にある。
決して廊下のほわほわとした空間のことを指しているわけではない。
目前にそびえ立つドアの向こうの空間のことを指しているのだ。
・・・何というか、痛い。
木の板越しだというのにぴりぴりとした殺気がばしばしと飛んでくる。
“そだ!!綱手お姉サマに帰ってきたってこと報告しなければ!
早めの方がいいよね。”
…と、先程までるんるん気分でこの火影邸へと来た。
しかし、綱手お姉サマは気が緩んだ私の気配を察知し、こうして殺気を送ってきているのだった。

・・・考えてみれば当たり前か。
私、2回もS級犯罪集団暁に連れ去られてんのにぴんぴんして帰って来てんだぜ。
…あー入りたくないなー。
ドア開けた瞬間、鉄拳と罵声が飛んで来ること間違いなしだよ。
・・・相殺出来るように手にチャクラ貯めておこっと。
ブゥゥン
 「よし」

ごくりと唾を飲み、ドアノブに手をかける。
バン!
 「ただいま!!」
刹那、飛び込んできたのは拳。
 「おかえりィ!!」
綱手お姉サマは引き攣った笑顔と鉄拳パンチで私を歓迎してくれたのだった。
 「ああああ゛!!」
バシィ
絶叫しながらあらかじめ手に貯めておいたチャクラで相殺した。
・・・オイオイ、綱手お姉サマ本気で殴ってきちょるよ。
 「お前…暁に捕まったんじゃなかったのかァ?ん?」
片眉を吊り上げながら痛いほどの殺気を送る綱手。
 「・・・ん、無事帰還しました!」
殺気は止まない。
 「捕まっていた間何をしていた?」
 「覚えてないですv」
 「・・・」
…さて、どうなるかな?
尋問?それとも・・・


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あきゅろす。
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