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黒白ノ風
206 最短
 「…〜サチ…サチよ!!」
 「・・・?」
重い瞼を開けると、目の前にはドアップの真白の顔があった。
 「わぁ真白たーんだー」
かわゆすだー。
寝ぼけた状態でそう呟きながら私は真白に抱き着いた。
ふさふさで気持ちいい。
 「…おぬしは今日中忍試験に参加するのではないのか?寝ててよいのか?」
 「…うん。ちゅーにん試験は午後2時からだからー」
午後2時に第44演習場に集合。
そのことは忘れていない。

 「…あと12分だが、よいのか?」
 「えええぇー」
私は声を漏らしながら跳ね起き、時計に目をやる。
残酷にも針は1時48分をさしていた。
 「え゛え゛えぇぇ!!」
覚醒した私は時計を見ながら更に絶叫する。
すると真白は
 「叫ぶ暇があったら支度した方がよいぞ」
そう言い、まだ間に合うと私に言い聞かせた。

私は急いで風呂へと急行した。
昨日は雑誌を広げたまま眠ってしまった。
なので風呂には入っていない。
 「わー!」
私はボディーソープを頭のてっぺんで5回プッシュ。
そのまま髪を洗い、一緒に体も洗った。
これは最短時間で髪と体を同時に洗える唯一の方法なのだ。
※よい子の皆は真似しないでね。
適当にリンスを左手にとり、髪に馴染ませ、右手では歯磨き粉の付いた歯ブラシで歯をみがいた。
※悪い子の皆も真似しないでね。
 「げほげほっ」
…あ、むせた。
まぁいいか。

シャワーのノズルをひねってお湯を出し、リンスをテキトーに洗い流す。
ついでと言わんばかりに口の中もキレイにゆすいだ。
 「完璧!」

風呂場を飛び出し、タオルで頭の水気をわしゃわしゃと拭きながら部屋のタンスから取り出した服を身に纏う。
 「準備完了!」
 「あと5分だ…して、そこにあるキノコはどうしたのだ?」
 「味噌汁にでも入れようと思ってさ!!」
 「…おぬしは阿呆か。あれはベニテングダケ・・・猛毒だ」
 「・・・まじか」
 「どこにあったのだ?あんなもの」
 「部屋に生えてたv」
 「・・・」
あまりよく聞こえなかったが真白からは小さいため息がもれた。
 「あは」
 「ゆくぞ」
私は真白にしがみつく。
次の瞬間には景色が目まぐるしくかわった。

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あきゅろす。
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