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黒白ノ風
167 皆勤
「おはよっ、サボリ魔!」
「…はい?」

学校に到着して早々、下駄箱で友達と出くわした。
…そこまではいいのだが、友達の発言に聞き捨てならない部分があったのだ。"サボリ"魔…という部分だ。
別に友達は私をいじめようとしてこういった発言を放ったわけではない。
あくまでもからかいの一環だ。
…というか私はいつサボった!?
何をサボった?
何気なく皆勤賞(学校を一日も遅刻、欠席しないこと)の図書券500円を狙っていた私。
少しショックを受ける。

「…あんさ、サボリ魔って何?」
友達のからかいかと思い、再び問いただしてみた。
「サチさ、おととい昼休みの途中でかっこいい男とどっか行ったじゃん?」

「…」
どっか行った?
頭は逝ってるけど私自体が昨日どこかへ行ったようなことは断じてない。
かっこいい男?
誰だよ。

「超サスケに似てたよねー」
「またか…」
みんなそろって昨日からおかしい…
サスケサスケって。
おかしいのは私なのか?

 「いっちょ前に昨日も無断欠席。男と遊んでたかー?…サチやるなー」
このやろー…などと肘でこずいてくる。

「はは」
私は愛想笑いで場をつなぐ。
…友達、おばば。
この人達の話を聞く限りおかしいのは私。

…もう狂ってしまいそうだ。
原因が分からないのに自分の記憶とは違うことを認める。
認めざるおえなくなっている。
…何の情報を信じればいいんだろう。
1番信頼のできる自分?
それとも私を外から見ている自分以外の人物?

そうやって私は頭をかかえながら学校の授業にはげむのだった。

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あきゅろす。
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