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黒白ノ風
164 言訳
ただただそこに固まる私達。
その間、私は必死に言い訳を考えていた。
…ど、どうしよ。
・・・お、いいこと思いついた!
“今度学校の文化祭で劇やるの”
・・・駄目だ。
文化祭9ヵ月後じゃん。
…えーと、“木の葉の里に逝ってたのさv”
・・・無理がある…おばばNARUTOのこと知らないし。
えーと…

 「1日間もどこに行ってたの!!?」
 「…は?」
思考中、おばばから思いもよらぬ言葉が言い放たれた。
1日間も、私がいなかった?
言葉を言い放ったおばばはというと、いたって真剣である。

 「心配してたんだから!お友達の家に泊まるならきちんと言いなさい!…全く、携帯電話も置いてって…」
 「…?」
・・・私はどこに行っていた?
意味が分からない。
学校から帰って、漫画を買って…
その後は…
気付いたら部屋にいた。
忍者の格好をして。

あと、私は友達の家になんか泊まっていない。
 「…あのさ、友達って?」
謎を解明するべく、おばばに問いてみた。
 「え、うちはサスケ君だっけ?…あーそっか、お友達じゃなくて彼氏だったかぁv」
 「うちはサスケ君って…」
おばばは当たり前かのように漫画の人物、サスケの名前を挙げる。
まるで本当にサスケがここにいたかのような言い草であった。

 「おばば漫画読んだの?」
 「漫画?何のよ?」
 「NARUTOの漫画!」
 「…?サチちゃんの漫画なんて読まないわよ」
 「・・・」
漫画のことも知らないのにおばばの口からサスケという単語が出る。
何故?
おかしい…

…私は自分も覚えていない、空白の1日間何をしていたのだろう。

 「…一応夕飯やってあるから食べなさいね」
おばばはそうとだけ言うと部屋から出ていった。
トントン…
という階段の音のみが静かな部屋に響いた。
 「・・・あ、うん」
少し遅れた私の返事。
そういえばお腹減ったな。
食べよ。

私もおばばの後に続き、夕飯を食べるべく階段を降りるのだった。

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