黒白ノ風
155 束間
鮫の作った卵焼きを味見し、その後すぐに朝飯を食べた私。
テーブルには卵焼きの他に納豆、ヨーグルト、味噌汁などといったバランスのとれた料理が並んでいた。
「おはようございます、サチさん」
朝飯も食べ終えた頃、白が少し眠そうにドアを開き、言った。
「おはよー!」
「今日は少し寝坊してしまいました」
えへへ、と苦笑いをしながら白。
「・・・あっ、そだ!昨日ありがとね。私のこと部屋まで運んでくれたでしょ」
私は今朝の行動の目的を思い出し、白にお礼をのべた。
「…?・・・あっ、いや全然。サチさん軽かったですし」
・・・軽かった?
最近みたらし団子ばっかり食べて贅肉沢山付いたばかりなのに…
何て紳士的なんだこの人は!!
おまけに整った顔でそんなに優しくされたら何というか…
うん、なんかあれだ。
白はというと食卓のテーブルにつき、朝飯を食べ始めていた。
「…そういえば、昨日はどんな夢見ていたんですか?」
ご飯を味噌汁で流し込むと白は私に問いた。
「・・・夢?」
「やっぱり覚えてないですか。…えーと、うわ言みたいに“チャクラがおいしくて食べれないー”とか言ってましたよ?」
「・・・何だそれ」
どんな夢見てたんだよ、私は。
「サチさんは何をしていても楽しい方ですね」
「え、良い意味で?」
「もちろん、見てて飽きないというか…」
「…ははは」
・・・見てて飽きないって、モロ悪い意味じゃん。
わざと言ってんのか白は…
バタバタバタ
突如、急いで階段を下るような足音が聞こえてきた。
「・・・?」
私は眉をしかめる。
「誰でしょうね?」
白も右に同じである。
バン!
食卓のドアが勢いよく開け放たれる。
それと同時に見えたのは黄色い髷。
もうお分かりであろう、デイダラである。
「いた!サチ!!」
「え、何!?」
「修行しよーぜ!うん!!」
デイダラは朝からテンションMAXで言うと私の腕をぐわし、と掴んで部屋から出た。
「え!もう少しゆっくりしたい…」
そんな意見もデイダラの耳には届いていないようだった。
白に助けを求めるものの、
「行ってらっしゃーい」
と笑顔で送り出された。
朝っぱらからデイダラとの修行の旅に連れて行かれた私であった。
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