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黒白ノ風
152 白雪
 「・・・」
無言で私を凝視する白。
 「白だよね…?」
私は念のためにもう一度問いてみた。
 「・・・サチさん、ですか…?」
すると白も何か確信を得たかのように呟いた。
 「やっぱり白だ!久し振り!!…髪切った?それと何で暁のアジトにいるの?入団したの?」
私は嬉しくなり、質問を投げまくった。
すると白は、
 「お久し振りです。…あと、一度に何度も質問をしないで下さい。困ります、うざいです」
普通の口調でそう言ってのけた。
どうやら腹黒いというか一言多いのは健在らしい。
それどころか更に磨きがかかっている。

 「…〜・・・白ー!!!」
私は何故か先程より嬉しくなり、スッと立ち上がり、夕飯が置いてある机を半周。
白のもとまで行くと抱きついた。
 「…いきなり何ですか」
 「嬉しくてさ!!」

 「お二人とも知り合いだったんですね」
今まで私達の言動や行動を見守っていた鮫が一言。
 「友達だよー!」
それに私は元気に返す。
 「白は2ヶ月位前にこの暁に入団したんだ。うん」
続いてデイダラ。
 「そうなんだ!」
2ヶ月前か…
 「俺の助手をしてくれる奴だ」
 「私の料理も手伝ってくれるんですよ」
 「俺の肩も揉んでくれる」
サソリ、鮫、角都。
それぞれが白のことについて言う。
あのサソリまでもがを評価しているのには驚いた。
とりあえず白はもう暁に溶け込んでいるようだ。
ご馳走が並ぶテーブルを囲み、食卓ががやがやと騒がしくなる。

ふと白の短くなった髪に目がつく。
 「そだ、髪切ったの?」
私は最も気になっていたことを白に聞いてみた。
すると白は、
 「えぇ、切りましたよ。…サチさんのような体術馬鹿で危険な爆発物を投げてくるような敵に遭遇したらこの髪も邪魔になりますからね」
そう溜め息まじりに言った。
 「…あはは」
私ってそんなに体術使ってるか?
というか髪を切った理由が私への悪口にしか聞こえない。

 「…そういえば、ブレスレットはちゃんと使えていますか?」
白は思い出したかのように私に問いた。
 「・・・?ブレスレット?」
何のことだか理解できず、頭に?マークを浮かべてみた。
 「…はぁ、食事が終わったらボクの部屋に来て下さい。使い方を教えますから」
 「よく分からんけど了解!んじゃあもう行ってるね!」
そう残すと私はドアを開け放ったままアジトの廊下を疾走し、この前まで空き部屋だった部屋へと入室した。
たぶんここが白の部屋であろう。

・・・
 「・・・もう行ったんですか…フフ、相変わらずですね」
夕飯を囲む暁の食卓で白の呆れたような、どことなく嬉しそうな呟きが溶けた。

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あきゅろす。
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