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黒白ノ風
151 夕飯
ダイニングへと移動する。
そこにはもうすでに夕飯が用意されていた。
ご飯、ポトフ、コロッケ、手作りのソース、その他もろもろ。
机の上にところ狭しと置いてあり、食欲をそそる風景であった。

今はその夕飯を食べているあたりである。
私が目を覚ましたのは丁度夕飯の辺りだったらしく、暁メンバー達もそれぞれの席につき、ご飯を食していた。
私もコロッケに手作りらしいソースを付着させ、それを口に運ぶ。
サクっという音との後に口ではじけるコロッケの衣。
その感覚がなんともいえない。
 「鮫!このコロッケうまい!」
…中身は何だろう。
プリプリとした食感と衣のサクッとした食感がとてもマッチしている。
とにかくうまい!
 「当たり前じゃないですか。毎日私がご飯作っているんですから」
鼻を高くしながら鮫。
 「中身は?」
 「一つはエビ入りで、もう一つはカキ入り、最後に甘辛ミックスのクリームコロッケですよ。お代わりはありますからどんどん食べて下さいね」
 「おうよっ!」
…今度鮫の料理手伝おっと。
そんで自分のご飯作りの参考にしよう。

そんな事を思っていた時、
バタン
と突如部屋のドアが開き、誰かが入ってきた。
しかし、私はおいしいコロッケを食べるのに夢中でそちらを向かなかった。
おおかた今ここにいないアロエちゃんか飛段など、そこらへんの人だろうと思っていたからである。

 「…やっと来ましたか、ご飯用意しますね」
鮫が気付き、そう言うものの、
 「自分でやるのでいいですよ」
あっけなく拒否されていた。

私は未だにコロッケに夢中である。

私の前にある席に先程部屋へと入って来た人が
トン
とお皿を静かに置いた。
私はコロッケを噛み締めながらその人を見る。
遅れて来た人は・・・イタッチーか。
…いや、違う。
イタチは私の隣の隣できちんと座ってカキ入りのコロッケを食べている。
じゃあ誰だ?
黒髪で、髪の長さは短い。
顔は整っていて、中性的。
どちらかというと髪型で男に見える。
まぁ女にも見えなくはない。
・・・誰だ?
新入り?
いやまさか…こんな新入りの人は漫画でも見た事がない。
・・・それより、誰かに似ている…

 「・・・」
私はその人を穴が開くほど見詰めた。
流石にその人も私の視線に気づいたらしく、私を見やった。
ばちっ
と目が合う。
…あ!分かった!!
 「・・・白!!!」
絶対白だ!
確信を持って私は言ったのだった。

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あきゅろす。
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