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黒白ノ風
147 対面
活気で賑わう木の葉の茶屋通りを抜け、ところ変わって綺麗な川の流れる森の近くに私達はいる。
川のせせらぎが聞こえ、何とも開放的な場所である。
 「久しぶりだな、サチ!!少し身長伸びたか?このやろぉー」
鮫さんのボディブローを見事腹にくらったのだが、何とか復活したイタチは自分と私の身長を比べながら狂ったような口調で言った。
 「…変わってない」
イタチのそれに対して冷たく返答する私。
…普通にしていればかっこいいのに。
そんなことも思っているところだ。

 「私の身長なんかよりさー、鮫さんもっと魚らしくなってない?」
 「…確かにな…」
鮫の顔をじろじろと凝視しながらイタチが一言。
 「そうなんですよ…少しヒレが・・・って違う!!私は に ん げ ん です!」
 「え?いんげん?…鮫っていんげん豆だったんだ。へぇー」
 「・・・」
 「まぁ、ところで何しに来たのさ?」
うなだれる鮫をよそに私はイタチに問う。
 「木の葉の団子が恋しくなってな。あと木の葉にちょっとした用事だ」
 「・・・用事、ね…サスケにでも会いに来たの?」
 「違うな…」
違うか…中忍試験が終わった後のところ…
ほかじいが死んじゃったから・・・
そうだ、ダンゾウがサスケに手を出さないようにするためか。
 「じゃあ、ダンゾウにうちはイタチは生きてる…って忠告しに来たの?」
 「・・・フッ、サチに嘘は通用しないな。まぁ、そうだ。三代目もいなくなり、サスケのことが心配になってな」
 「そかー…」
やはりそうだった。
弟思いのいいお兄さんではないか。

少しばかり私がイタチに見とれているとイタチは口を開いた。
 「また暁と行動を共にすることはしないのか?」
…と。
 「今のところないね…でも、デイとかサソリとか角ちゃんに会いたい!あとアロエのゼツさんにも…」
 「そうか、なら1日だけ来るか?」
 「行く!!」
 「イタチさん、そんな急には…」
鮫があわてて私が暁のアジトで一泊二日するのを優しく拒んだ。
 「鮫、天照か月読くらいたいのか?」
そんな鮫に対し、イタチは向き直って双方の目に赤く怪しい光を放つ写輪眼を浮かばせた。
 「とっとんでもない!さぁ、行きましょう」
イタチの双方の目に浮かぶ写輪眼を目にした鮫は冷や汗を垂らしながら承諾した。

それを確認した私。
嬉しくなり、勢いよく飛び上がった。
 「やったぁ!んじゃ」
ゴッ!
 「あ゛っ…」
しかし飛び上がった瞬間、何かしらの固い物体に後頭部を思い切りぶつけた。
痛みに頭をおさえる間もなく、地面へと倒れ込む私。
上を見るとごつごつとした岩が私をあざ笑うかのようにそこにあった。
…やべ、調子に乗って岩に頭ぶつけた。痛っ。
そのまま視界は闇に染まってゆく。

 「妹よ!また刺客か!?」
 「イタチさん、違いますよ。ただ岩に頭ぶつけて…」
 「またお前なのか鮫ェェ!!」
 「前のも私じゃありません!」
 「問答無用!!」
そんなイタチと鮫の会話をよそに私は意識を手放した。
 「イヤーーーぁぁぁぁああ!!」
その後、静かな森に鮫の絶叫が響いたとさ。

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