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黒白ノ風
145 解読
 「ナッルットーv」
 「おー、久しぶりだなサチ」
 「なんだなんだ?私に会いたかったのか?寂しかったのか?」
 「それはない」
 「…えー…まぁいいか・・・あのさあのさ!ナルト暗号とかの解読って出来る?」
 「あぁ、暗部の任務で嫌ってほどやったぜ」

・・・火影邸から真白に関連性がありそうな紙切れを持ち帰った私。
早速解読しようとしたのだが、なかなかどうしても読めない。
まぁ暗号はもとより気密性のあるものを読まれないようにするもの。
そう簡単に読めてしまっても困ってしまうものなのだが。

暗号が読めない・・・ということで経験豊富なナルトに力を借りて何とか読んでみようと今、ナルトの部屋にお邪魔しているところである。
部屋には相変わらず夢と希望がつまったカップラーメンが散乱していた。

 「・・・」
 「・・・」
ナルトに紙切れを渡し、目を通してもらう。
紙切れを興味深そうに受け取り、眉間にシワを寄せながら読んでいた。
そして口を開く。
 「…読みにくいな…というより読めないな。決まった文字もなければパターンも皆無・・・随分手の込んだもの見つけたな」
 「…これ、難しいやつだったんだ」
・・・時空とか普通に漢字で書かれてたから楽だと思っていたのに…
 「…まぁな」
ナルトでも解読不能な暗号を持って来てしまった。
しかし、難しいというとそれなりに中身も充実しているということかもしれない。

 「そか、まぁ、あんがとv」
少々の希望を持ちながら言う。
 「力になれなくてすまねぇな」
 「大丈夫、まぁ私なりに頑張ってみるれ!」
ナルトから紙を受け取り、また目を通す。
うん、さっぱり分からない。
私はぶつぶつと独り言を呟きながらナルトの家を後にしたのだった。

「私なりに頑張ってみるれ!」・・・そう言ってのけたのは先程。
だいたい1時間程度前のことである。
 「うまっ!…もう全てのことがどうでもよくなっちゃうようなうまさだ!」
只今そう言っているのは他でもない、私だ。
ナルトの部屋を後にし、自宅で紙切れに穴が空く勢いでにらめっこをした。
しかし、糸口は何も見いだせないままであった。

そこで頭を活性化させるために外へふらふらと外出。
少し散歩した後に適度にあった団子屋でゆっくりとしているところである。

それにしてもここの団子は美味しい!
みたらし、あんこ、きなこ、ごま、抹茶味まで多種多様な団子がそろっている。
もっちりとした弾力性のある白い団子にそれぞれの味が絶妙にマッチしていて何とも言えないおいしさをかもし出している。
うん、最高だ。
特にこのみたらしが美味しい。
紙切れの暗号そっちのけで団子を胃の中におさめる。
あ、ちょっと詰まった…
私は少し慌てて団子と一緒にテーブルの中央に置いてあるお茶に手をのばし、それを飲んで…
 「ぶはっ!!」
吹いた。
突然お茶を吹いた私に対し、他の客は痛い目を向ける。
しかし、私の目はそんな方向ではなく隣の席に座る2人に向いていた。
隣の席には笠を深く被り、黒地に赤雲がかかっているマントを身に付けている人達がいた。
・・・暁の誰かだ…
そう、暁のどなたかは知らないが、暁共通の装束、黒地に赤雲がかかったマントを着ている人が真横にいたのだ。
それを目にして私はお茶を吹き出していたのだった。

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