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黒白ノ風
141 口寄
ガリッ
契約をした方の親指を噛み、血を滴らせたところでその手をフローリングの床にかざした。
ボンッ
すると白煙が部屋の中に立ち込める。
ふと噛んだ親指に目をやると、切り口からはぽたぽたと丸い血が規則的に落ちては床を汚していた。
そんなことをしている間に白煙は次第に晴れてゆく。
白煙が晴れ、そこにいたのは白い・・・
布団だった。

 「ヲイ!」
自分で呼び出したにも関わらず、思わずツッコんだ。
力みすぎて、あろうことか布団を呼び出してしまったのだ。
 「・・・この…ウスラトンカチィ!!!」
サスケもこのご様子。
 「いやー、ビックリしたー」
 「俺の方がビックリだ!!!・・・口寄せするかと思えば布団なんか呼び出しやがって…お前は・・・あー、もういい!さっさとあの狂った白兎を口寄せしろ!」
どうやら呆れて言葉が出てこないようだ。
まぁ、口寄せしたら布団だもんな。
そりゃ怒るのも無理ないか。

深呼吸をし、チャクラを正常にする。
・・・今度は大丈夫。
気をとりなおして再び印を結び、血の滴る親指を床にかざした。
ボンッ
白煙も晴れ、出現したのは…
真白だった。

 「・・・やっと呼び出しか…さて、サスケとやら…帰るぞ」
真白は出て来るなりサスケのみに木の葉へと帰る話をする。
 「・・・真白た…」
 「では…」
真白は私の言葉を妨げ、それだけ言うと複雑な印を結び始めた。
 「オィ、白兎!サチはどうすんだ?」
私達を見かね、サスケが一言。
 「…?…そんなこと、決まっているだろう・・・置いて行く」
 「・・・」
真白があまりにもはっきりとものを言うのでサスケは言葉を失った。
 「・・・」
・・・そんな…こと?
真白にとって私の存在は“そんなこと”にしか過ぎないの・・・?
真白は私のことをどうも思ってはいないのか。

少しして、真白も印を結び終えたようだ。
突如室内に黒い大きな穴が出現し、真白とサスケを飲み込んだ。

真昼時の一軒家。
その静寂に包まれた部屋には1人の少女のみが取り残された。

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