黒白ノ風
139 屋上
「おいウスラ!どこ行くんだよ」
サスケを引っ張り、教室を脱出した私。
教室を出たすぐそこに窓があったのでそこから外へと出た。
自らの足を壁に付け、チャクラで吸着しながらずんずんと突き進み、なんとか学校の校舎の屋根までたどり着いた。
「ここでいっか」
到着するなり腰を下ろし、少々斜面がある屋根の上に弁当を広げた。
「いいのかよこんな場所で飯食って…」
「大丈夫でしょ。生徒手帳に“屋根で弁当食べるな”とか書いてないし」
「・・・」
…書くまでもねぇんじゃねぇのか?
「…さて、木の葉に帰るための何かいい方法あった?」
弁当を地面に展開したまま本題に移る。
「…ねぇな…サチはどうだ?」
サスケの収穫は0らしい。
まぁ私もそうだが。
「んー、どこでもド○でもあればね…」
ふと夢のようなことを呟いてみる。
「だったらドラ○モンはどこにいる?」
「この世界のどこか」
「意味分からねー」
「ははは」
「・・・ウスラトンカチが!話脱線してる!!」
「サッスンのせいだよ」
「お前のどこでもド○発言のせいだ!」
「…そうなのか・・・まぁとりあえず食べよーか。お腹減ったし」
「・・・」
サスケも弁当の包みを広げ始める。
どうやらサスケも右に同じのようだ。
2人とも弁当のふたに手をかけ
カパッ
開けた。
「・・・!」
「・・・!」
弁当を開けた瞬間、2人は絶句した。
「・・・」
サスケの弁当の中身…半分のスペースにおかかがまんべんなくふりかけてあるご飯。
もう半分のスペースにはトマトがこれでもかと言わんばかりに隙間なく敷き詰められていた。
両方ともサスケの好物である。
一方、私の弁当の中身は全てがみたらし団子。
四角いスペースに丸い団子が2層構造になって敷き詰められていた。
サスケが絶句した原因は自分の好物がこれほどまでに斬新かつダイレクトにぶち込まれていることに驚いたからであろう。
私は久しぶりに好物だらけの弁当に対面し、感動したから絶句しているのである。
「良かったね!サスケの好物ぎっしりやん」
「このためか…」
「…?何が?」
「このためにお前の母親とやらは俺の好物を脅迫、拷問にも近い方法で聞いてきたのか」
「・・・うわー…まぁ、結果オーライってことで」
サスケを戒めながら団子をもっさもっさと食べる。
そんな私にサスケは何か言いたそうだったが、それをやめ、食べ始めた。
食べはながらも帰る方法を模索する私達。
「サスケさ、あの真白たんの印覚えてる?」
「覚えてねぇな…」
「だよねー」
「・・・」
「まぁ、そのうち真白たんも来るよ」
「・・・そうだ!・・・何故俺は気付かなかったんだ!?」
サスケはふと何か確信を得たかのように呟いた。
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