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黒白ノ風
137 起床
気がつくと眩しいものが私を照りつけていた。
 「・・・んー…」
とりあえずうっすらと重い瞼を開いてみた。
開いた瞬間、まばゆい光が私の目を攻撃した。
私をじりじりと照りつけていたのは太陽だった。
あー、昨日はカーテンもひかないで寝たのか…
・・・って朝!!?
ガバッと起き上がり、周りを見渡す。
目の前には机を挟んでうつむきながら未だに眠るサスケがいるのみであった。
…そうか、昨日あのまま眠っちゃったのか。
…サスケはまだ眠ってるし、起こすのも何か悪い気もする。
しかしよくあの体勢で眠れるよなサッスン…軽く敬意を覚えるよ。

…さて、どうしてくれようか。
サスケは眠って夢の中だし…
夢の、中?
眠って…いる?
・・・
私はおもむろに昨日拾ったスクールバックを取り出し、中身をさぐった。
お目当てのブツを見つけ、手に持ちながら気取られないようにサスケに近づいた。
ブツをカチッと開き、暗証番号を入力。
そしてカメラ(camera)と記してある場所をプッシュ。
するとあら不思議、カメラが使えるようになった。
そう、私が取り出したブツとは携帯電話のことである。
私は狙いを定め、ぶれないようにサスケをロックオン!
そのまま真ん中のボタンを押した。
カシャ
携帯電話が音を発し、熟睡?中のサスケを捉えた。
これを保存して…と。
・・・完璧!
やっべー!これ永久保存版だよ!!
わっほーい!サッスンの寝顔げっとぅー!v
友達に送っちゃおっかなー。
再び盗撮した写真の画像を開き、1人でにやける私。

 「オイ、ウスラトンカチ」
後方からサスケの声がしたようなしないような…
 「ウスラ!何だそれは…」
…またしたよ…ははは、気のせい気のせい。
私は恐る恐る後方に顔を向ける。
すると、そこにいたのは私の前にいたはずのサスケだった。
 「・・・エ−ト、コンニチハ−…」
 「何、勝手に人の寝顔撮ってんだ?あァ!?」
 「いや自然の摂理というか何というか…」
 「よこせ」
サスケは手を前に突き出す。
 「…だっ駄目だ!これは私の宝物じゃー!!」
サスケに対し、絶対渡さないといわんばかりに私。
 「俺の写真だろ!?ウスラトンカチィ!!」
 「ウスラトンカチ言うな!」
 「なら、そのカメラを渡せ。そしたら名前で呼んでやるよ」
 「そ、そんな!究極の選択ではないか…」

・・・どうするれ…今こそ選択の時!
永久保存の写真か名前で呼んでもらえる…
どうする・・・!私!

 「千鳥!」
バチチッ バキッ
私が思考を巡らせているさなか、サスケは私の不意をつき、携帯電話に向かって千鳥を放った。
一点集中形の突き、千鳥をモロにくらったケータイは白煙を上げながら真っ二つになった上、画面が真っ黒になり…壊れた。

私は白煙を上げるケータイを涙目になりながら地面からすくいあげる。
 「お宝が…」
 「フン、ウスラトンカチ」
そんな私をサスケは勝ち誇ったような顔で見下した。
 「・・・名前…名前は?」
 「カメラは渡されていない。壊れちまったじゃねーか」
 「屁理屈だ!!」
 「知るか!」

ガチャ!
「サチちゃん学校は!?」
サスケとのケンカ勃発中、おばばがいきなり現れ、口を開いた。
 「学校…何それ?アカデミー?」
 「あかでみー?何寝ぼけたこと言ってんのよ?高校生でしょ!」
 「高校…」
…そうだ、私は高校生だったんだ。
1年もこっちにいなかったからすっかり忘れてた。
でも、そんなところに行ってる暇はない。
木の葉に帰るための方法を考えなくてはならないのだ。
…こうなったら…
 「休んでいい?」
 「ダーメv」
おばばは笑顔を貼り付けながら殺気まじりに答えた。
 「う゛っ!急に腹痛が…」
 「逝ってらっしゃいv」
そう笑顔で言いはなつとおばばは制服と私を玄関から外へとほうり出し、家の鍵をしめた。
 「・・・」
強制送還かよ…
全国の中、高校生の母親がみんなこうだったら引きこもり減るよなー…
そんなことを考えながら私はしぶしぶ地面に放り出された制服を着る。
そして学校へ行くはめになったのだった。

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あきゅろす。
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