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黒白ノ風
135 時間
トサッ
と静かな音を立てて到着した家。
ここが私の家だ。…たぶん。
とりあえず忍術が使えることに驚く半面、家までの道のりを1年と少し経った今でも覚えていた私に自惚れているのも半面である。

 「もう瞬身が使えるのか」
サスケは少し驚いた様子で問う。
それもそうだ。
アカデミーでドベ2だった私が波の国辺りからあり得ない程強くなっているのだから。
 「あたぼぅよ!…今度教える?」
 「あぁ、頼む」

私は家のドアへと向き直り、ドアノブを握り締めた。
1年間もいなかったんだからポリスメンに捜索願いを出されているかもしれない。
下手をしたらどこかの神社に墓でも立てられれているかもしれない。
そんな緊張と不安を持ちながら持っているドアノブを回し
ガチャ
開いた。

 「…た、ただいまー」
家の中の様子を探るように私は言う。
すると奥からばたばたという慌ただしい音が聞こえてきた。
 「サチちゃん!どこ行ってたの!?心配してたんだからね!!」
出て来たのはおばば(母)だった。
血相を変え、息を切らしている。
 「…ごめん、ただいま。ところで何日経った?」
 「…え?1時間と15分いつもより帰るのが遅かったわ」
 「・・・」
1時間と15分帰るのが遅くなった…?
1“時間”と、15“分”…??
 「ざけんなくさればばあ!1時間15分ごときで心配してんじゃねーよ」
大声でおばばを罵る私。
 「あらやだ!反抗期かしら?」
それに負けじとおばば。

1時間15分しかこっちではいなかったことになっている。
やはりおかしい。
1日位経っていてもおかしくないのに。
 「…?てか本当にそれだけ??」
念を込めてもう一度聞いてみた。
 「まだ言うの!?」
 「いやそうじゃなくて…本当に1年と少しとか時間経ってないの?」
 「…経ってないけど…どうしたの?」
 「…ん、何でもない」
…あれ?
確実にあっちの世界では1年間過ごしたのに。
こっちでは1年間は1日にも満たないのか?
・・・謎は深まるばかりである。

 「あらまぁ!ついにサチちゃんにもカレ…」
おばばはサスケを見つけるなり一言…
 「違う」
しかし、その言葉はサスケによって遮られた。
それにしてもそんな早く拒否することも無いと思うんだけど…
 「そう、お友達なの…まぁ、立ち話もあれだし、中に入って頂戴」
 「ん、そうするー」
この後、私達は家へと入室するのだった。

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あきゅろす。
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