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黒白ノ風
124 黙祷
中忍試験本選、1回戦目は先程ゲンマさんが言った通りナルトVSネジだ。
今回は予めトーナメント表が作成してあり、前回の予選のような電光掲示板が必要ない。
カタカナと英語のVS表記を見ないで済むと思うと何だかしんみりするところ。

私は上の観客席でナルトの試合の行方を見守る。
結果は…ナルトの勝ちだ。
最初はネジが圧倒していたが、やられたらやり返すのが裏ナルトのモットー。
チャクラを巧みに操り、後半で巻き返したのだった。
観客席からは絶えない拍手と喝采が飛んだ。

その後、サスケが姿を現さず、その試合が後回しになったことで観客席からブーイングの嵐が飛んだ。
しかし、それは昔の話。
シカマル、テマリの頭脳的な騙し合いの試合が終わり、観客達が再びイライラしてきた頃にやっとサスケが来たのだ。
木の葉を巻き上げ、カカシ先生と共に登場したサスケ。
髪も幾分か伸び、服装も変わっている。

私はそんなサスケを見て、上の観客席から飛び降りた。多分1ヵ月ぶりである。
まぁ、いてもたってもいれなかったのだ。
 「お久!」
 「…あぁ」
サスケは眉をしかめながらも返事をしてくれた。
おそらくそんなこと言うために下降りて来るなよ、とでも言いたかったであろう。
しかし、私はお久!と一言言い、すぐさま下の会場の傍らにある階段から去った。
そのためサスケはその言葉を飲み込んだのだった。

この後に始まる試合はサスケVS我愛羅。
我愛羅がぴりぴりしながら下の会場へと降りて行く様は並みの下忍にとっては恐怖という言葉しか当てはまらなかったであろう。
しかし、私はそんな我愛羅の周りの空気が読めず話しかけた。
 「やっほー、があくん!おっ、頬にケチャップ付いてるよ?さては昼飯スパゲッティ?」
 「・・・」
 「相変わらず冷たいねー。まぁ試合がむばー」
…と。
後々に我愛羅の頬に付着していたのはケチャップではなく血だったことが判明。
下の試験会場から上へと繋がる通路の途中に人が2人死んでいた。
おそらくその人達の返り血だろう…そう思ったのだ。
とりあえず黙祷。
それを済ますと何事もなかったかのように血臭が漂う通路を抜け、観客席へと戻るのだった。

サスケと我愛羅の試合は、サスケが圧倒的なスピードで試合を着実に進めていた。
しかし、我愛羅も黙っているはずがなく、出たのは絶対防御。
まぁ絶対防御といってもサスケの千鳥の前ではあまり意味を成さなかったのだが。
…ここまでの試合は着々と進んだ。
しかし、このサスケと我愛羅との試合途中であることが起こったのだ。
そのあることとは・・・真っ白な羽が空から降って来たのだった。

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あきゅろす。
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