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黒白ノ風
117 予測
会場のギャラリーで1人布団にくるまり寝息をたてていた私。
気持ち良く眠っていたというのにサクラに叩き起こされ、試験が終了したことを知る。
ギャラリーから下をのぞき込んで見ると、もうすでに他の予選通過者達が規則的に並んでいた。
そこでやっとこ私の双方の目は、もう見えるようになっていたのだということに気付く。
何だか思い切り体を動かしたくなり、
ギャラリーのフェンスから下へと飛び降りた。
そして指定の位置についてほかじいの説明に耳を傾けたのだった。
今はそのほかじいの説明が丁度終わったあたりである。

 「アンコの持っとる箱から一枚だけ紙を取るのじゃ」
本選に向けて一通りの説明を終えたほかじい。
そのほかじいの前にアンコさんが出る。
どこから取り出したのか四角い箱を手に持ち、私達にそれを引くように促した。
これは本選の対戦相手を決定するクジ。
ただのクジではない。本選の対戦相手を決めるクジである。
一言に本選といっても…一般の人はもちろん大名達までもが閲覧する中忍試験の本選。
中忍試験はそれぞれの里の忍達がそれぞれの戦闘力を競うために設けられたもの。
そこから優秀な忍のみが中忍になれるという仕組みである。

1対1の真剣勝負。
予選通過者は全員で丁度10人である。

私の対戦相手は誰になるか。と思考を巡らせた。
まずナルト、ネジ、我愛羅、サスケ、カンクロウ、シノはあり得ない。と思う。
予選の対戦相手がカブトだったように。
…あとは、テマリ、ドス、シカマル。そして私。
・・・本選でテマリとシカマルが戦ってたから、私の相手はドスって人かな?
・・・でもそいつは試験前になんだかんだで死んじゃうから・・・おぉ、私はシードか。
まぁこの予想は100%言い切れる。
ぁ、やっぱり99%で。

そんな思考を巡らせ、私も他の予選通過者と同様に箱に手をのばし、クジを引いた。何故だか少し緊張した。
そんなこんなで全員がクジを引き終え、皆番号を照らし合わせているところ。
私の番号は10・・・あった。
思った通り、見事なまでにVSドスだった。

よっしゃあ、もしこれで本選でも目を見えなくされても大丈夫。壁に向かって話しかけ、里の恥さらしになることはないv
私の出番はほぼないも同然だ。
なぜなら、木の葉崩しが始まるから。
会場内は1回戦の途中で幻術に包まれる。
なので2回戦には突入しないということで私の出番は無いのだ。

・・・木の葉、崩し…?
自分の思考の中でふと出てきた単語を再度たぐりよせた。
…とうとう始まるのか。
そう言えばほかじいは、ここで・・・
ここで…どうなった?
大蛇丸との戦闘で…死?
・・・そうだ忘れていた。一番大事なことを。
助けなければ。
3代目火影、ほかじいを。
全く別の場所から来た私を受け入れてくれた2人目の人。しかも住む場所もお金もくれて不自由なく生活させてもらった。
そんな人に恩を返せないまま逝かれてくてどうする。
暗部の任務で少々は恩返し出来ていると思うが、まだ足りない。
まだ返し足りない。
だけど、ほかじいを助けるためにはもっと力が必要だ。
大蛇丸との戦闘にもなると思うから。
前の大蛇丸との戦闘では幻術で気絶。
もろに力の差というものを見せつけられた。
今度こそは。

 「ではご苦労じゃった!ひと月後まで解散じゃ!」
ほかじいの声が会場内にこだました。
…解散ってことは帰っていいのか。
よっしゃ!修行だ!!うぇーい。
 「じゃね!ナルト!!また1ヶ月後に会おうではないか」
私はそう言うと瞬身の術で修行へと向かったのであった。
 「オゥ!」
 (こんな人目につく場所で瞬身つかうなよ)
ナルトがそう返事した頃にはもうすでに私は影も形も無かったのだった。

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