[携帯モード] [URL送信]

黒白ノ風
111 煙幕
私は印を結び、その手を地面にかざした。
するとアスファルトで出来ていた地面は柔らかくなった。
土遁の性質のチャクラを流したからである。
土遁は万物の硬度や形を変化させることが可能である。
そのため私が手をかざした場所の地面は柔らかくなった。
地面が柔らかくなったことを確認すると、私は火爆の術のオレンジ色の球体を10個程度作った。
大きさは手の平に乗っけても小さい位。
外見とは似つかないほど結構威力はあるつもりだ。
火遁の性質のチャクラを前より数倍も高密度に圧縮して土遁のチャクラで覆ったから。
後この手の平にある火爆術の球体には特別な仕組みが施されている。
爆発したら衝撃音とともに結構な量の白煙が上がるものだ。
一言で言えば爆発する煙玉である。
私の視界が無くて不利なのであったら相手の視界も奪ってしまえばいい。
そう考えたのだ。

 「よし!」
私はうなずく。そして後ろ斜め左を向いて振りかぶり、火爆術の球体を人の気配がある方向へと2、3個投げた。
ドンッ
どこに当たったかは分からないが何とか爆発した。
けたたましい爆発音を立て、爆発したのだ。
その音と衝撃は私にも伝わった。
それとともに白煙もあがったであろう。
 「ギャー!」
会場内で声が上がった。当たったのか?
少しすると…
 「げほっサチ!どこ投げてんだってば!!俺を殺す気かー!!?」
 (この試験終わったら隣の部屋来いや)
・・・うわ、ナルトにクリーンヒット…
やべ、隣の部屋来いって…私をボコす気ですか。
 「ごめんナルト!!」
 (目見えないからそっち行っちった)
一応謝るものの、言ったと同時に私は次の動作のために体勢をを整えた。

ナルトがむせたってことはちゃんと白煙は上がっているようだ。
そこは安心したいところ。
・・・カブトはどこだ?
私はカブトの気配を探ってみた。
……いた。カブトの気配は…止まっている。
運良く火爆の術が当たったか。
それか爆発後の白煙で丁度視界がさえぎられているか。

・・・決めるなら次だな。
私の闇雲に攻撃を繰り出すやり方は向こうもそろそろ退屈してきただろう。
まぁ私が決めなかったら向こうに決められるだろうし。
だからその前に…

私は足にチャクラをため、地面へと潜った。
先程私のチャクラを流し、柔らかくしたアスファルトの地面は、いとも簡単に潜れた。
そして土中からカブトの気配を今一度探った。
先程の場所からは動いていない。
私は柔らかくなった土の中をゆっくりと進んだ。
カブトの気配を目指して…

[←][→]

24/45ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!