黒白ノ風
108 驚愕
第1回戦、勝利をおさめたサスケ。
先程の戦闘でかなりのチャクラを疲労したとみてとれた。
そこにナルトの罵声が飛ぶ。
「ダッセー勝ち方しやがって!ボロボロじゃねーかバーカ!」
こんなことを言ってはいるが、ナルト心のどこかで安心していることであろう。
憎まれ口をたたくナルト。
先程サスケの勝利を聞き、やった!ととっさに叫んでいたのはどこのどいつだよ。と思ってしまうほどである。
私は小さく笑った。
そんなことをしていると
(サチ、あいつやっぱ凄ぇ)
ナルトから私に対して会話術が飛んできた。
いきなりですか。
というか何故私に?
(ぇ、何すかいきなり)
(受け身の仕方見たか?)
(見てたけど。綺麗な着地の仕方だったよね)
(タズナのオッサンの護衛任務の時より数段体術が伸びてる。普通だったらあの連動技を思いつくことすら難しいぞ。思いついたとしても最後のかかと落としの後、受け身が十分にとれなくて地面に倒れ込む)
(おぉ…)
そういえば原作では獅子連弾した後、サスケは反動でうつ伏せに倒れ込んでいたような・・・
そうだ・・・
体術の修行したんだった。
波の国での任務の終盤、私とサスケで意味不明な修行をしたのを覚えているであろうか。
その時、ついでにとサスケと組み手などもしたのだ。
内容はナルトに教えてもらった体術の基本から応用まで。
私の心臓は爆発しそうだったが、サスケにとっては大きな財産になったのであろう。
実際今、着地の際に役に立った。
綺麗に着地し、次の行動に備える。
小さい事だが戦闘の時、そこから勝敗が決まることもある。
技を決めてもまだ相手が起き上がってくるかもしれない。
そのような場合に地面に転がっている場合ではないし、そんなことをしていたらやられてしまう。
とりあえずサスケは強くなっている。
この予選でそれをひしひしと感じた。
ナルトもそうであろう。
・・・そうだ、サスケを超強くしてしまえば大蛇丸のもとへ行くなどという考えは生まれてこないのではないか?
おぉ、我ながら名案だ。流石私ィ!
よっしゃ!!そうと決まればこの中忍試験が終了したらサスケと猛修行だ。
(ナルト、私頑張るよ!!)
(・・・?あぁ、頑張れよ?)
(うん!!)
「サチよ」
私が1人気合いを入れ、ガッツポーズをしていると肩にちょこんと乗っている真白たんに話しかけられた。
「ん、何?」
顔をそちらに向け、真白を見やる。
「あの電光掲示板とやらにおぬしの名が記されているのだが…」
「は!?」
私は急いで電光掲示板へと顔を向けた。
そこには水野サチとはっきりと記されていた。
相手は・・・ヤクシ・カブト…
「早っ!!」
予選会場内に私の声がやけに大きく響いたのだった。
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