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黒白ノ風
103 謎増
チョロチョロと水の流れる音がする。
ここはどこだろう。森ということは確か。
鉛のように重いまぶたはまるで開かない。
まるで縫い合わせられているかのような感覚だ。
私は何故寝ているのだろう。
そんな考えがしきりに頭をよぎった。
そんな私の状態も知らずか、辺りに住んでいるであろう動物達は騒ぎ立てている。
・・・森、そうだここは死の森で…
今は中忍試験の、途中?
 「あっ!!」
口をぱっくりと開き、まだだるい体を無理やり起こした。
先程まで重たかった瞼も開き、辺りの様子も確認できるようになった。
辺りにあるのは綺麗な川と
 「起きたか」
横には真白がいた。
 「あ、おはよう」
…そういえば私は何故倒れていたのだろう。
・・・中忍試験の途中で、死の森で、そうだ、大蛇丸が出現したんだった。
そこで幻術かけられて。倒れた?
…曖昧だ。
 「あのさ、私何日寝てたの?」
 「2、3日だ」
 「…凄い寝てたね。大蛇丸はどうしたの?」
 「我がおぬしの周りに結界をはったら逃げて行きおった」
 「真白たんと大蛇丸って知り合い?」
 「ただの敵どうしだ」
 「…今日って3日目?」
 「そういうことになるな」
意識がはっきりしてくるやいなや、真白に様々な質問を投げまくった。
真白はそれをぬかりなく答えた。
いや、ぬかりないというには少し間違いがあるかもしれない。
真白によると大蛇丸とはただの敵どうしらしい。
しかし、ただの敵どうしなら戦う前にあんなに睨み合い、話す必要はないだろう。
しかも私のこと言っていたらしかったし。
しかし、その肝心な話の内容がいいところで聞きとれなかった。それは悔いたいところ。
・・・まぁ真白のとこ疑っても意味はない。
過去を問うのはやめよう。
真白を傷つけてしまうかもしれないから。

それにしても、サスケもだ。
呪印はどうなったのだろうか。
今は2日目。
1日目に大蛇丸に呪印をつけられたかどうかは定かではない。
ナルトが何とか阻止してくれていたらいいんだけど・・・
まぁナルトのことだからきっと阻止してくれているだろう。
なんたって木の葉の暗部だからね。
と、そう思う私の裏に
でも、もしもう既に呪印がサスケにつけられてしまっていたら・・・
という不安を隠せない私もいる。
 「よし!」
そんな私の考えを何とか払いのけ、気合いを入れた。
そして立ち上がり
 「行くよ」
と真白に声をかけた。
 「あぁ、サスケとやらのところにか?」
 「んーん、そこにはナルトがいるから多分大丈夫だよ。もう中央の塔直行で」
 「そうか」
 「ん、じゃあ行くよ!」
そう声をはり、緑の多い森を駆け出した。

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あきゅろす。
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