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黒白ノ風
102 途切
 「フフ、サチちゃん初めてお会いするわね」
舌を舐めずり回し、大蛇丸は口を開いた。
おぉ、オロッティー!
あの不気味さが何とも言えない人物。
漫画では凄く気持ち悪かったけど本物見るとそんなでもない。
しかもとても白い。まるで原色の白をそのまま肌に塗りたくったような白さである。
私にその白い肌を分けてほしいもの。
まず私はそう思う。
金色の瞳は縦に開き、まるで蛇を連想させるようだった。

 「うん、初めまし…う゛っ!」
大蛇丸の発言に対して普通に返答をしようとしたのだが、真白たんに見事な蹴りを後頭部にくらわせられた。
そして
 「おぬしは本物の阿呆だな」
と一言吐き捨てられた。
 「挨拶は返すのが基本だよ」
 「・・・ハァ、それよりもっと基本的な部分があるであろう・・・おぬしの名前知っている時点で怪しむと思ったのだがな・・・全く、先が思いやられる」
 「…ぁ、確かに」
改めて考えて納得した。
確かに会ったこともないのに名前を知っているのはおかしい。
 「・・・」
もう真白は私にかける言葉がないようだ。

 「…さて、うちわもめは済んだかしら?フフ・・・それにしても久しぶりね、白兎さん?アラ、間違えちゃったわ。白銀の化け…」
 「黙れ」
真白が殺気を込め、静かにそう言った。
真白の殺気はナルトのものとは比べものにならないほど膨大だった。
思わず地面に膝をつきそうになったが、なんとか持ちこたえた。変な汗が全身に吹き出した。
真白の言葉はずしりと重みをもち、静寂に包まれた森でよく反響したのだった。
 「アラ、怖いわァ」
大蛇丸はその言葉とは裏腹に怖がる素振りなど毛ほどに見せず、ただそこに立っていた。
そして、続ける。
 「アナタが……のお守りとはねぇ…可笑しいわ。………の………が、まさか……ていたとはね………かったわ」
・・・あれ?
大蛇丸の言葉が途切れ途切れになってきた?
意識ははっきりしているのに…
 「やっぱ……の……は…………の…」
やはり聞こえない?
何故だ…ろう・・・
…あぁ、もう駄目。幻、術…か?
薄れる意識の中、私はそんなことを思っていた。
片膝を森の緑色の上に付き、そのまま前のめりに倒れた。
そこで私の記憶は途切れた。
真白と大蛇丸は何を話していたのか。
そんなことも追求できないまま、意識を手放したのだった。

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あきゅろす。
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