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黒白ノ風
101 白蛇
 「あー、酷い目に遭った」
 「災難だったなサチよ」
 「うん」
私に突っ込んで来た蜘蛛。
そいつはなんやかんやあり、真白が丁寧に追い払ってくれた。
そのなんやかんやについては聞かないでほしいものである。
蜘蛛を真白が追い払おうとした時、私が
 「食べちゃ駄目だよ」
と言ったのが印象的だった。
自分で言ったにもかかわらず、後になって失礼なことを言ったな。と思った。
その時の真白の反応は
 「誰がこんなものを食べるというのだ?我がか?兎は蜘蛛なんぞ食べぬ。阿呆が」
そう鼻で笑い、少し怒り気味に言われたのだ。
その時初めて真白の不機嫌な様を見たのだった。
そして真白は怒っていても喜んでいても、何をしても可愛いということが判明した。

 「んじゃ改めて、出発ー!」
 「3度目の出発だな…まぁ3度目の正直になるとよいな」
 「そだね」
そんな会話をし、私は真白を肩に乗せた。
そして地面を踏み込もうとした。
 「おぉぉ!」
踏み込もうとしたのだが…私は声を漏らしていた。
地面には一匹の蛇。
体は真っ白で綺麗な目の色をしている
こんな危険な森にもこのような生き物がいるのだな、と思わず見とれてしまった。
 「サチよ、ナルトのもとへ行くのではなかったのか」
私が蛇に見とれていると肩からは白々しい声が聞こえてきた。
 「あぁそうだった」
その声でふと我に返る。
再び足で地面を踏み込み、森の中を颯爽と駆けるのだった。
 「フ、ただの白いだけの蛇ではないか」
真白からそんな発言が聞こえたような気がした。
やきもちでも焼いているのだろうか。
可愛い奴め。

再び森の中を駆けて、進んでいるいるはずの私達。
しかし、いくら進んでもナルト達の気配がまるで掴めないのだ。
道は間違えていない。
この第2試験が始まる前に念入りに確認したのだから間違えるはずがない。
そう思いふけ、頭を捻りながら木々の間を飛んでいると下方に白い物体がいるのに気がついた。
 「ぁ、蛇」
先程の白い蛇である。
その白い蛇が先程と全く同じ格好でそこにいたのだった。
 「・・・やられたなサチ」
 「え、何を?」
 「幻術だ幻術・・・しかし、我が気付かぬ程巧妙な幻術・・・これは相当のてだれだぞ」
 「うわ、マジ」
 「どれ、この幻術、解いてみるか」
そう言うと真白は目を閉じ、解!と呟いた。
すると辺りの景色が少し晴れたような気がした。
 「さほど変わりは無いが、これで解けたぞ」
 「ありがと」
先へと進もうとする私。
しかし、先程の白い蛇が私の前に立ちはだかったのだった。
 「フフフ、あなたもただの白い兎じゃない」
白い蛇は私の前に立ちはだかったかと思えば、いきなり喋りだした。
 「ちっ厄介な者に出くわしたな。サチ」
この真白たんの言葉を理解したのはものの数秒後だった。
白い蛇の口から黒髪の男性か女性か見分けのつかない人が出て来た。
その人は、大蛇丸だったのだ…

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あきゅろす。
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