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黒白ノ風
099 違感
森の中へと飛び込んだ私。
中は静寂に包まれ、木々が沢山茂っているせいか光は当たらない。
しかし、昼間ということがうかがえる。
静寂な上そこに野生動物の声がまじっており、やはり不気味だ。

そんな森の中、木々をよけながら中央にある塔とは違う場所を目指す私。
何故このような行動をしているかというと・・・
大蛇丸からサスケを遠ざけたいからである。
この死の森で大蛇丸はサスケに接触し、様々な事の発端となる呪印を付けていた。ような気がする。
呪印さえ無ければサスケは大蛇丸のもとへに行かないと思うからである。
まぁ「思うや、たぶん」だが、私にできることはしてみたいのだ。
とりあえず目指すはゲート12付近。
ナルト達はそのゲート12にいたから。
近くまで行けば気配は大方読めるので発見するそとは容易だ。

少し走ったころ…
 「はぁ」
私は大きく、盛大なため息をついた。
 「サチよ…」
 「うん、わかってるよ真白たん」
敵さんのお出ましだ。
急いでいるときに限ってこういう人達が出現するんだよな。どーも。
敵は一旦止まり、私の動きを茂みの中から見ていた。
私もピタリと足を止める。
さて、早く片付けますか。
そう思いながら。

辺りに張り詰めた空気が漂う。
火爆術はNGだ。
爆発音が森に反響してさらに敵がやって来てしまう。
時間はかけたくないのでそうなると厄介だ。
そうなると…
やっぱシンプルに普通に行こ。
ここで無駄なチャクラを使って肝心な時にチャクラ切れを起こしては困る。
…まぁ考えてる暇があるなら行きますか。

私は瞬時にポーチからクナイを3本取り出し、敵がいる茂みに向けて放った。
すると、茂みからは3つの影がそれぞれ三方へと散った。
私はリーダー格らしき人に目をつけ、その人だけを追った。
木々を巧みに飛び移る。
風が気持ちいい。まるで飛んでいるようだった。
しかし、時間もそんなに無いのでスピードを早めて先回りをする。
その人はとっさにクナイを構えるものの、私の足にチャクラを溜めた蹴りの前に倒れた。
 「ぐっ」
敵はどんどん落下する。
地面数mというところで私はクナイを投げ、そいつを木に固定した。
スコッ
と小気味のいい音を立て、木にくくりつけられる敵。
私はそいつのもとへと寄り、ポーチやら手裏剣ホルスターやら探った。
 「ビンゴ」
そう呟いた私の手には巻物。
しかも地の書である。
私の持っていた巻物は天の書。これで揃った。
 「運がよいな」
 「そだね」
私はそう短く返事をすると、またもゲート12を目指して走る。

しかし、敵も巻物を奪われ黙っているはずもなく
 「待ちやがれ!」
と言いながら走って来た。
手裏剣をバンバン放ってくるのでわずらわしい。
ほとんど全部が的から外れているのだが。
相手は巻物を取られたということから焦燥感が伝わってくる。

 「全く、危ないな」
そう真白たんは呟き、印も組んでいないというのに物凄い勢いの突風を発生させた。
 「うわぁ!」
そう声を上げ、吹き飛ばされる敵2人。
 「わぁお」
私は感嘆の声を漏らしたのだった。
やっぱ凄いよこのうさたん。

 「真白たん凄い!」
 「じれったかったものでな」
私は肩付近へと手を伸ばし、真白たんの頭を撫でた。
感触はザラザラとしていた。
そしてなにより、固かった。
 「ぁ」
真白たんがまたも呟いた。
 「ぇ?」
私は今撫でている物体に目を向けた。
瞬間、
 「ぬああぁあ!!」
そう絶叫したのだった。

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