そんな覚悟は出来てません
覚悟は出来ました。
永遠に眠る覚悟も、キスする覚悟も出来ました
「待ってませんのでいつでもどうぞサソリさん」
あとはサソリさんだけだ、と目を閉じる。出来れば早く、出来るだけ長く、して欲しいものだ。
「俺の体だからって急かしてんじゃねーよ」
頬に手がそっと触れた。さすが見た目は私でも、中身は三十代男性のサソリさん。
リードしてくれるらしい。
「ならもう何も言いません」
というより何も言えなくなる。今にも減らず口が塞がれそうなのだから。後は黙って待つだけだ。と言ったら待つなとサソリさんは怒るだろう。
やっぱり何も言えないし、何も言わない。
「…………っ」
けれど言いたくもなってきた。早くしろと。サソリさん、いつまでたってもしてくれない。
待つのが嫌いなくせに焦らしですか。
「…?」
何も言わず目だけ開けると、サソリさんは居なかった。
まさか焦らしじゃなく放置ですか。サソリさんなら、やりかねない。
「サソリさ…」
「少し黙ってろ」
と思ったら、サソリさん居た。何故だか部屋の扉の前に。少しだけ扉が開いてるのはけしてサソリさんが逃げようとするつもりだった訳ではないはずだ。
さっき逃げるように去っていったデイダラが開けっぱなしにしたのだろうと思いたい。
「今すぐ出てけ」
思いたいのに、サソリさんに出てけと言われた。
まさかサソリさんが逃げるためではなく、私を逃がすためかと思うしかない
「今すぐ出てけって言ったんだ」
「……………っ……。」
どうしよう、そんな覚悟は出来ていないのに。
「聞こえなかったか。サッサと出てけって言ってんだ」
「……………っ」
「出てけ」
「…………………はい」
「テメーじゃねーよ」
私かと思ったら、私じゃないとサソリさんは言いだした。訳がわからない。
もちろん、今この部屋に居るのはサソリさんと私だけだ。他に何があると言われても、空気と答えるしかないだろう
まさか空気に言った、なんて事はないはずだ
「そこに居るだろ、小南」
と思ったら小南さんが居た。
「………バレてたのね。鬼鮫、あなたの息遣いが荒いせいよ」
「いや、私よりイタチさんの視線が熱いせいでしょう。写輪眼まで使って見てましたからね」
「後ろの角都さんに中の状況を教えて欲しいと言われただけだ」
「ゼツが邪魔で見えなかったんだ仕方ないだろう」
その他四人も居た
誰かと思ったらこのメンツ、空気が読めるはずの馬鹿たちだ
空気読めよ、馬鹿
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