証明しましょう
「チィ……」
「おい、テメーはまだ俺の真似事してるのか」
真似事なんかじゃない。無意識にサソリさんみたいな舌打ちが出た。
もう少しでサソリさんとキス出来たのに、あのちょんまげ野郎本当に大嫌いだ。
「証明、されたんですよね」
「ああ」
「私としては証明出来ていないのですが、どうすれば良いですかサソリさん」
「キス以外で頼む」
「……………。そういえば永遠の眠りから覚める方法、知ってますかサソリさんキスですよキス」
「…………………。」
「永遠にこの体のまま眠らないためにもキスしましょう」
「………………。」
どうしてもキスしたい。どうすれば良いですかサソリさん
と言えば、知るかと言われそうだ。むしろするかと言われそうだ。もちろん、キスする訳ないという意味でのするかだ。
「するか」
ほら、きました。
「えっサソリ……さん?」
「してーんだろ、するかって聞いたんだ」
「えっ」
まさかの、きました。
「い、良いんですか」
思わず喉が鳴る。 まるで付き合いたてのカップルみたいだ
あくまで「みたい」であり、カップルでなければ当然付き合ってもいない。
順番が違うと言ったサソリさんこそが順番を乱している。
「こうすりゃ証明になるって言ったのはテメーだろ」
「言いましたけど…もう証明されたんですよね。何を証明する気ですかサソリさん」
「忘れたのか。愛には証明が付き物ってテメーが言ってた事だろ」
「言いました……けど…!」
まさか、まさかの、きましたかこれはサソリさんから私への愛を証明が。
「永遠にこの体のまま眠りたくねーしな」
あれ、どっちの証明ですかこれ
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