何とかしよう
やっぱりいくら体が入れ代わったとしても、中身はまるで別人
傀儡だって操れちゃうなんていうミラクルは無かった。
「どうしたんだ、旦那。せっかちのくせしてさっきから足止まってんぞ」
あのせっかちな旦那が「今すぐ止まりやがれ」って言ってるような気がした。
と言ったところでこいつは「?」だろう。
「まさか本当に核の心配してるなんて言わねーよな旦那?」
そのまさかだよ本当に。
旦那の体した私が心配していれば、私の体した旦那だって心配しているだろう。
チャクラ糸さえ、出せないのだから。
「やっぱ今日の旦那、らしくねーぞ。んなに心配しなくたって今回のノルマは楽だろうが」
チャクラ糸さえ出せないってのに楽も糞も無いだろうが。と言ってやりたい口を必死に噛み殺した。
まさか百機の傀儡を操れるはずの旦那が、一機の傀儡ですら操れないと知られたらノルマを前にこいつに殺られるかもしれない。
「そう心配すんなって旦那、何ならオイラ一人で片付けてやっても良いんだぜ」
「え、本当ですか」
「え」
しまった。
何ならそうしてくれと願うばかりに、旦那らしくない事を言ってしまった。
そろそろ悟られてもおかしくはないぞ、この空気。
「……サソリの旦那、」
「………お、おお。」
「旦那さ、何か今日」
「おお、だから何だってデイダラクソちょんまげ野郎がサッサと言えよ」
「…………うん、旦那だ」
何とかなった。
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