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戻しましょう

バレているとはいえ、幸いリーダーにはバレていない。

さすがは空気の読める馬鹿たちだ。バレている人間が、バラす事は無かった。



「もう一度同じ状況を作るってのはどうでしょうか」


そんな事で馬鹿みたいに戻れる訳がないとサソリさんは言ったが、馬鹿みたいな話に乗ってくれた。

「確かこのあたりの通路で、私がこっちに立って……サソリさんは向かいに立ってましたね」
「ああ」

「あ、今は体が入れ代わっているので逆に立ってみましょう」

「ああ」


「………………。」

「………………。で、この後どうすんだ」



サソリさん鼻で笑いながら言った。馬鹿にしてる。
結局もう一度同じ状況を試してみた舞台、しかし相変わらず戻らない体のままでサソリさんは馬鹿みたいだと笑った。


「確かこの後はデイダラが来たんですよね。デイダラを呼びましょう」

馬鹿か

馬鹿だと笑われた。

「この段階で体が戻ってねーのに呼んだところで意味ねーだろうが」

むしろこの状況こそ意味の無いものになっている。



「サソリさん!サソリさん!どこ行くんですか」

「帰る」


「ああっサソリさーん!」

体を戻すための方法その一、体が入れ代わる直前の状況をもう一度試してみよう。

この結果は無意味であった。


馬鹿に聞いた自分が馬鹿だとサソリさんは最後に言い残して、馬鹿なメンバーしか居ないアジトの通路に背を向けた。


「サソリさぁぁん待ってください!見放さないでください!」


体を戻す事を考えていた自分もどこへいったのか。
そんな通路の中で最後に響いたのは、サソリさん戻ってこいと訴える自分だった。


結局みんな馬鹿ばかり。

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