こんなのは嫌
こうしてサソリさんとの任務がはじまった。
「もう嫌だサソリさんとの任務なんて……」
「ああ?テメーが行くって言ったくせして何言ってんだ」
「…………確かに言いましたねはじめは」
はじめは行く事を望んだ。けれど実際行ってみれば、残酷なものだった。
「今はもう嫌です」
サソリさんの体が傷付けても傷付かないのを良い事に、手も貸してくれないサソリさん。
手を貸すどころかその手でいつかは殺してやると告げた事を仄めかすかのように、傷付く私を見守るだけのサソリさん。
デイダラのがまだ良かった
「だってサソリさん、守ってくれないし」
「オイオイ守ってやってんじゃねーか」
あなたが守っているのは核だけだ。
そのくせ核が狙われると必死に手を私へと伸ばすサソリさんだもの。任務だって嫌になる。
デイダラのがまだ良かった。核でなく、体ごと守ろうとしてくれていたのだから。
「もう嫌ですサソリさん」
いくら体が傷付かずとも何かこう、傷付くものがある。
肉体的でなく、精神的な痛みってやつだ
「嫌だから何だ、デイダラと行くって言うつもりじゃねーだろうな」
そうは言わせないとサソリさんは言った。
「テメーと俺は共同体なんだろ?なら任務もテメーとやってやろうじゃねーか」
無論
そうだとは言えずに終わった。
どうやらこの人、傷付けずに傷付かせるという何とも画期的な苦痛の味わせ方を覚えてしまったようです。
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