あなたって人は
やっぱりなとは思った。いくら体が入れ代わったところで中身が違えば、こうなるだろうと。
現に調査中、思わぬ邪魔者を痛め付けてやろうとした指からはまるでこいつの体だって事を知らないかのようにチャクラ糸が出た。
それは幸いにして不幸な知らせとなった。
体が違えば中身も違うのだと。つまりいくら天才の体をしようと、馬鹿なあいつが傀儡を操れるはずがない。
「サッサとこのふざけた術を解く必要があるな……」
「…………………。」
うわこの人まだ言ってるよと思ったのは黙っておこう。
この人はもう何を言っても聞かないくらいに、犯人をメンバー内で絞っているらしい。
現に任務から戻ってくると、この人の隣には気絶したメンバーが居た。
よくよく見るとそれが飛段だという前に、ボコボコにされている人間だって事が分かった
サソリさん、
本気で犯人を捕まえる気だ。
「あれは正当防衛だ」
「不正当な気がします、サソリさん」
サッサと術解けって訳も話さずやられたのだと思ったらサソリさん、やらなきゃならなかったのだと言い出した。不正当だよそれは。
「こっちがやってなきゃ今頃テメーの体はあいつの好き勝手にヤられてたって言やァ正当になるのか」
「………!」
それは正当だ
正当すぎて泣けてきた。だってサソリさん、私の体を守り切るために手を染めたって事じゃないですか。
「サソリさん……あなたって人はもう!」
自分だけでなく他人までもせっかちにしてしまう人だ
てっきり術解くための脅しで、やったのかと思ったらもう。
「言っておくが、自分の身を守るためだ」
お前の為か。涙返せ
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