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彼と私の秘め事。―ディーノ夢。主人公はツナの姉(設定生かされてないけど)

「よっ紫騎。」

眩しい笑顔と金髪につい目を細めてしまう。


「…こんにちは、さようなら。」
「おい、ドア閉めんなって!」


慌ててドアに指を挟む彼。…このまま閉めてあげようかしら。





「全く…どうしてお前はすぐ追い返そうとするんだよ。」
ディーノさんの言葉に恨めしそうな目で返す私。


…どうしてって…


「…ディーノさんが何事もなかったかのように爽やかだからです。」
「何かあったような顔して欲しかったか?」
「……そういうわけじゃないですけど…」


その「何か」をしたのがまさしく彼なのだ。
なのにその彼が何食わぬ顔で私の前に現れるから私としては…何だか悔しい。



「で、答えはでたのか?」
「そんなすぐに出ません。…答え出さないまま時効って言うのは無いんですか?」
「ないな。」

笑顔で返される。何か腹が立った。


何で私だけ動揺しなきゃいけないんだろ。…私が子供だから??




さてここで今更ながらに自己紹介。
私は高校3年生。沢田綱吉の姉です。以上。(短っ)(ほっといてください。)

マフィアとかなんたらかんたらに一応関わっている…
リボーンに「お前も俺達の仲間だからな。」とか言われて半強制的に。


最初は嫌だったけど…皆いい子達だしその子達に危険が及ぶ事態が色々起こっていって…
今では助けたいという自分の意思から進んで協力してる。

一緒に花火みたりバイトしたりして皆と遊ぶのが楽しい!
というのが一番の理由だったりもするのだけど。
(中学生と遊ぶ私って…別にいいよね!?)



…ディーノさんと出会ったのも必然だったのかも知れない。同盟ファミリーのボスだもん。
ボンゴレボス候補と会おうと家にくるのは予想しうることだし。

最初黒ずくめの人達が来たときはそりゃあもう焦りましたけどね?

部下さんも凄くいい人達ばっかりです。


まあ、それとこれとは話が別。


「ツナ、久しぶりだな。」
「ディーノさん!」
「また来ちゃったんだよツー君。」
「母さんと同じ呼び方するなって。」

弟に抗議したらあらま、逆に抗議されちゃったよ。


「お前そう冷たくするなよ。…そんなこと言ってっとばらすぞ。
ツナ、実はな。俺が紫騎に―」

「ぎゃー辞めて辞めて!ディーノさんちょっとこっちに来て下さい!!」
「おわっ」


彼を強引に引っ張って隣の部屋に連れて行く。


「もう、その話はしないって約束じゃないですか!」
「んー?その話ってどの話だ??」
「しらばっくれないで下さい!!」


その話というのはアレだ。あの話に決まっている。
私が必死にお願いして了承してくれたのに
どうしてばらそうとするんだろうか。


「紫騎が返答をくれそうにないからだろ?これでも俺、ずっと待ってるんだからな。」

私の心の内を察してかさっきまでとは違い真剣な表情でこちらを見つめてくる…
顔が近過ぎて全身から火がでそう。

私、こういう甘い雰囲気苦手なんですけど…。



「ディーノさん、待ってくれるって約束もしたじゃないですか!」
「…したけどよー」

顔を元の位置に戻した彼は唇を尖らせた。


「何時まで待てばいいんだよ。俺はすぐにでもイタリアに来てほしいんだからな。」
「…わか、ってますけど…」

くちをもごもごしながら答える。確かに悪いとは思ってる。
本当は彼も忙しい。忙しい中、私なんかのために来てくれているのだ。


そりゃあ私も早くいい返事を出したいし…もしイタリアに行く目的が「同盟ファミリーを手伝う」
ということだけだったら素直に「うん」と言える。


だけど…


「つ、付き合ってもいないのに結婚とか…おかしいじゃないですか…」

真っ赤になりながら顔を俯かせる。

そう私は彼にプロポーズされたのだ。


今まで男の人と付き合ったことがない私に結婚の話なんてあまりに突然。
…さらに言えばディーノさんとは付き合った記憶がない。実際に付き合ってもいない。


(しかも相手は外国人でマフィアのボス…)

この凄い条件下で素直に「はい」と言える人間がいたとすれば相当の楽天家か
変人だと私は思う。


「別におかしくないだろ?一目惚れなんだから。」
「は、恥ずかしいことさらっと言わないで下さい!」

外国の人は皆こうなんだろうか…?だとしたら我が弟に「外国の人は注意して」と言っておかないと。

「それに、ツナたちに隠してたっていずれは分かることじゃないか。
早いうちの方がいいだろ?」

「ばれるって…」


「紫騎とはいずれ結婚することになるからな!」
「ど、どういう理屈なんですか!!」

そういうと彼は至極楽しそうに理由を説明しだした。

「一つ。俺の部下たちが応援してくれてる。…あいつら人を見る眼はあるんだぜ?」
一本指を折り曲げる。

「二つ。俺の勘がそう言ってる。」
二本目の指も折る。…勘!?

「三つ。どう見ても俺に脈ありの反応を紫騎が見せてくれる。だからだ。」

にかっと爽やかな笑みで三つ目の指を折ってどうだ!と言う顔をする彼。

「…勘とかディーノさんの思い込みとかで決めないで欲しいんですけど。」
二つ目と三つ目を非難する私。

…私がディーノさんを好きって反応をしてる?そんな、まさか…


「自分で自覚してねーだけだって!」

それでもディーノさんはめげない…というか全く気にしていない。
はあ、この人に何言っても駄目だよ。

「あ、四つ目もあるぜ。」
彼がふいに耳元に近寄ってきて囁いた。

「部下がいなくてもお前といるとドジしねえ。…俺が心底お前を信頼していて惚れてる証拠だ。」

落ち着いてきた頬がまたぽっと染まった。

「っ、や、めてくださいよ…」
力なく答える。…ああ、私がなにいっても返されちゃう。
これが大人の余裕ってヤツですか?


笑顔全開のディーノさんには叶わないや。


「じゃあ、そういうわけでツナたちに報告してくるな!」
楽しそうにツナの部屋に戻ろうとする彼…
報告って何!!


「ま、待ってください!全然話わかってないじゃないですか!」

元々黙っていてくださいとお願いする目的で別の部屋に連れてきたのに
全く効果は無かった…寧ろ逆効果?


せっかく恥ずかしいから私と彼だけの秘め事にしておきたかったのに…
皆に堂々と公開される日は近そう。


(お母さんは賛成よ!)(ちょっとお母さん!!)
お母さんだけはディーノさんが先に話しをしてたみたいだけどね…




そして私が…ウエディングドレスを着るのも遠くない未来。
相手は誰かって?…それは秘密。

(俺じゃないのか!)(えー?)(えーって!?)


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