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野球部の文化祭にてその準備



「榛名のバカ」

今、俺は危機的な状況にいる。
てかなにこれなんなのこれ?

「加具山さん!お願いします」

榛名の手に持ってるものなに!?なんなの!?
それって世に言うあれだよね。

「メイド服・・・・」
「大丈夫っす、加具山さんなら似合います」

そんな真剣な表情されたら怒りにくいだろうが。
どこの男がメイド服似合うと言われて嬉しがる?
ただ単に変態としか思えない。
それともおかまか。

「野球部で喫茶店するんっすから仕方ないっすよ」
「だからって・・・!何で俺が!?」
「アンケートっす」

は?
ぴらぴらと榛名がポケットから出してきた紙を見る。

「・・・なにこれ」
「断トツ一位っすよ、加具山さん」

にこにこと榛名は話してくる。
絶対こいつも俺に投票してるに違いない。
ってか俺、こんなの知らない。

「加具山さんが補習でいないときやったんっすよ」

榛名は、俺の聞きたいことに気づいたのか答えてきた。
ああ・・・なんかわかった
あのとき、野球部員が補習室に居なかったわけ。
くそっ!親切にプリント貰ってあげるんじゃなかった!

「はいこれ、加具山さん」

黒を基調とし、胸元のとこまで白のふわふわの襟がついた服。
まさにメイド服の典型的な感じ。
さぞかし女の子が着れば可愛いだろう。
なのに、なんで俺!?
ちなみにスカートは・・・

「ミニ!?」

確実に膝上で、しかも屈めばパンツ見えそうなくらい短い・・・・
なんなんだこれ!
短すぎる!
女の子に着させようとすれば絶対犯罪だと思う。
でもって確実に変態。

「あー、ロングにしようか悩んだんっすけどやっぱりミニかなーって」

しかもご丁寧にニーハイまで・・・。
涙出そう・・・。
ちなみにこれをどこで手にいれたか気になるわけだが。
ん?
可愛いパンツもあるんだけど・・・

「榛名・・・パンツがあるんだけど・・」

ぴらぴらと挟まっていたパンツを持ち上げ見せる。
このパンツ・・・いやパンティと呼ばれそうなフリフリ感。
よくここまでフリフリにできるもんだと感心していると
榛名がにっこり笑って

「見せパンっす」

何事もないかのように言う。
は?
一瞬、頭の中が真っ白だ。
こいつ俺になにさせたい?
てか野球部員全員だよな?
あいつら俺に恨みでもあるのか?あるんだよな!?
でないとここまでしないよな!?
にしても俺が何したっていうんだ・・・もうまじやだ
文化祭休みたい
なんなのこれ

「・・・ちなみに榛名はなにすんの?」

俺がメイド服着るのに、榛名がなにもしないのは腹がたつから聞いてみた。
すると榛名が後ろにあった箱をあけて、黒いスーツを持ち上げた。

「加具山さんの執事っす」
「え」
「ボディーガードみたいなもんっす」

榛名がにこにことスーツを持ち、話す。

「お手つき禁止なんっすよ」

誰も俺に触らないと思うが・・・
そして、1人に1人つくらしいその仕組み。
何でも俺の執事になるためにいろんなことがあったとか・・・。
うっどんだけ俺嫌がられてる・・・。
特に秋丸が凄かった、って激しく向こうから睨んでるの本人だよね?
すごく恐い。
後ろに虎か竜でも出てそうなくらい・・・。

「榛名」
「なんっすか?」
「あそこに秋丸がいる」

「あー・・・気にしなくていいっすよ」

えと、明らか榛名が俺に近づいたとたんに殺気感じた・・・
「あーそう・・・秋丸もメイド?」
「いいえ、執事っす」

ん?
おかしくないか?
榛名が執事で、秋丸がメイドならわかる。
そこを俺に榛名を盗られて怒ってることになるからだな。
でも、秋丸も執事・・・。

「なあ、なんで秋丸こっち見てんだ?」
「あー、それは盗られたからだと思います」
「榛名を?」
「んーっ・・・」

ニカッと笑ってあっちを向かれた。
答える気はないらしい。
問い詰めようと思い近づくが、スーツを持って張り切ってる榛名に何も言えなかった。
なんか邪魔しちゃいけない雰囲気だったし。
うん、とりあえず文化祭休む理由考えよう。

野球部の文化祭にて、その準備

(あ、休んだらトイレ掃除1ヶ月らしいっす)
(は)
(あと、売上金で部費増えるらしいっすよ)
(・・・頑張る、俺)




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