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お互いに掴みたくて恥ずかしくて堪らなかったことは秘密


練習が終わって学校から、コンビニに寄ったその帰り道。
チューペット一本を二人で買って分けあい。
自転車を押しながら食べていると榛名がこっちを向いてきて。

「ねえ加具山さん、帰る時くらい手繋いでくれたっていいんじゃないんっすか?」
「・・・黙ってくれ。誰かに見られたらどうすんだよ?」

手繋ぐと暑いし、第一自転車だ!
チューペットは口ですすりながらじゃないとできない。

「だって俺たち付き合ってるでしょ?それとも加具山さんは俺のこと嫌いなんっすか?」
「お前なあ…。嫌いとかそういう問題じゃねえんだよ。公共の福祉とかなんたらに反するだろ?」

それにチューペットの食べにくさを考慮に入れて欲しい。
するとジッと信号を見つめ、少し考えてる榛名。バッとこっちをむいてきて。

「加具山さん、俺にそんな難しいこと言わないで下さい。それに俺たちの前じゃそんなもんどうだっていいっすよ。」
「ちょっ、やめっ。いや、やめろって。いってー・・・。いきなり手掴みにくんなよ・・・。」

ギュッと掴まれた手。少し湿った豆があって、そこから熱が出ているような気がした。
まあ必然的に、チューペットは口に入れたままで片手で自転車を押した状態だ。
不安定で怖っ!

「加具山さん目の前にして我慢は毒だと思って」

まっすぐ俺の顔を見て。真面目なことを言わないでほしい。
話題だ、話題を変えて目線を反らそう。

「・・・てか榛名さー、俺のこと先輩だと思ってる?」
「はい、可愛い俺だけの先輩です!」
「いや、お前絶対思ってねえだろ…」



チューペットの甘い部分は消え、いまや氷のとこだけになった。
くそ・・・
恥ずかしいけど・・・でも嬉しいかもしれない


お互いに掴みたくて恥ずかしくて堪らなかったことは秘密


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