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ハニーキャット

「なっ!!誰が面倒くさいだって!?」

「そんなの、オマエのことに決まってをじゃん」


軽くキレ気味な口調で首に回した俺の腕を乱暴に払う。
払われた手をヒラヒラとさせながら飄々と答えた。


「いっつも惚れて付き合った奴に弄ばれて泣きみて…仙が言ってたぞ『豊がまたフラれたって泣いとったわー』ってな」

「っ!?何でそれを…てかココで仙さんの名前を出すんだよ!」


からかう様に笑みを浮かべながら豊が慕っている仙の名を出す。
そうすれば、冷静さを保っていた表情から一変し恥ずかしそうに顔を赤くしながら眉間に皺を寄せていた。

豊は仙に弱いから名前だしただけで意識して一気にちょろくなるんだよな。


「ホントのことだからだろ?仙も毎回豊に泣きつかれて困るわーってぼやいてたし」

「う、嘘だ!だって仙さん一度もそんな…」


仙の名を出した途端に弱々しく声も小さくなる豊に味をしめ少しずつ豊を攻める。


「そうだな、仙はあーみえて優しくて気遣いが出来る奴だし…豊に気いつかってんじゃね?」

「そ、そんな…」

「疑うなら仙に直接聞いてみたらどうだ?ほら電話して」

「ばっそんな事しなくても…」

「なんだよ。もしかして聞くのが怖いのか?」

「そんな訳…!」


携帯をチラつかせながら言えば直ぐに止めにかかってきた。

んーそろそろ飽きたし、とどめさすかな。


「そーだよな仙に面倒くさい、ウザイ、迷惑だ。なんて言われたくないもんなー」

「め、面倒くさい…!ウザイ…?迷惑!?」


豊が仙に言われたら立ち直れないであろう言葉を口にする。
そうすると、復唱し ぐらりと体をよろめかせながらソファへと雪崩れ込むように腰を下ろしていた。

「面倒くさい…ウザイ…迷惑…うぅ」

「じゃ、トイレ行ってくっからー」


豊が落ち込んでいる隙に簡潔に行き先を告げて生徒会室を後にした。

ちょっとやり過ぎた気もするけど…まぁいいか。
コレであと一時間くらいは豊に捕まらずに済むかな。

そんな事を考えながらトイレとは別の方へと足を進めた。

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あきゅろす。
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