ハニーキャット
6
胸になま暖かい感触を感じ、体が強張り我に返った。
「いやんスベスベー」
「うはっ!乳首ピーンク!!」
ニヤついた顔が目に映り、触られるたびにブワッと全身に鳥肌がたつ。
気持ち悪い。怖い。触らないで。
声に出したくとも恐怖心からか喉が締まり上手く出せない。そのとき胸から脇へそして腹へ、どんどん下へと気色の悪い手が移動しカチャカチャと金属が擦れる音が耳に届く。
恐る恐る目線を向けるとボクのベルト外している姿があった。
「ゃ……」
頭の中で危険信号が出される前に体が動き逃れようと暴れる。
「ゃ…イヤッ!」
「っ…!?」
「痛っ……」
結果、ベルトを外そうとしていた人には蹴りが、拘束していた人には拳が入り相手は突然の痛みに怯み隙ができた。
それを見計らい、ボクは急いでドアの方向へ駆け出す。
だが、相手は2人だけでなく4人だということを混乱していた僕は忘れていた。
「こんのっ!?」
唖然としていた一人が逃げようするボクのワイシャツの袖を咄嗟に掴んできたためにバランスを崩し、ビリッと袖の縫い目から裂ける音が聞こえたと同時に床へ倒れこんでしまった。
「ぃ…たぁ……」
「よくも嘗めた真似してくれたな…」
「ッ……」
怒りを含んだ声へに恐怖心が掻き立てられ、後ずさりをする。
が、すぐさま捕らわれた。
「大人しくしてたら優しくしてやるつもりだったのに」
「素直に言うこと聞かない君が悪いんだよ?」
「おれは抵抗されたほーが燃えるけどね」
「ヤれればどっちでもいい」
「ハハハ野蛮人」
完全に拘束され会話する奴らの声が歪んで聞こえる。
なんで…なんでボクが。
恐怖で滲む涙を堪えるために下唇を噛んでいると…
「ほんじゃ、脱がしまーす」
「ッ!?」
一人がそう言いボクのズボンを膝まで脱がされたところで慌てて抵抗する。
「やめっ!」
「チッ騒ぐな!…オイ誰か口押さえとけ」
「や…んんっ!?」
口を大きな手で塞がれ、手も足も動かせずにいた。
誰…か。お願いだから誰か助けて!
そう願ったとき、勢いよくドアが開く音がし…
「君たち楽しそうな事してるね…俺も交ぜてよ?」
飄々とした声が聞こえ緊張がはしった。
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