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ハニーキャット
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思わず、目が放せなくなり固まる。
だって、そこには天使が居たから。

ウソだろ…こんな可愛い子この学校に居たのかよ。

と目をつけていなかったこと後悔しながら、まじまじと眺める。

綿菓子のようなフワフワとしたハニーブラウンの髪。
透き通るような白い肌。
ビー玉みたいに大きく綺麗な深緑の瞳。

全てがこの世のモノではなく何処かの本の世界から飛び出してきたかのような子だ。

こりゃ襲われるな…。
てか、アレ地毛か?日本人には見えなくもないけど。

そう思いながら近づくために一歩踏み出すと…


「!?」

「あ…ごめ!」


動いた瞬間に再び体をビクつかさせてしまった。

あー…襲われた後じゃ仕方ないか。
てか、フォローとかは普段なら豊の役目なんだけど…呼ぶ訳にはいかないし。
えーと…こういう時、豊はどうしてたっけ?

豊がこういう時にしてた行動を思い出しながら実行してみる。

先ずは、一定の距離をとってから…相手と同じ目線にする。だっけか?

スッと同じ目線になるようにしゃがむ。


「あの、大丈夫?」
「っ……」


なるべく優しい声で問いかければ、戸惑いながらもコクンと頷いた。
んー…見た感じ最後まではヤられてなさそうだし、その点は大丈夫か。
それより、ワイシャツだな。
ありゃもう着れないだろうし、このまま教室に帰しに行かせても襲われちゃ困るからな。
……仕方ない、一肌脱ぎますか。

自分の着ていたワイシャツのボタンを外していく。
その行動にギョッと驚いた表情したすぐに急いで後退りだした。


「あー…襲ったりしないよ」


ボタンを全て外し終えて、大丈夫だと言いながらワイシャツを脱ぐ。

つっても、この格好じゃ説得力ないけどね。

そのワイシャツを手に持ち近づく。


「ゃ……っ…」


目の前まで行くと震えた体を縮こめてギュッと目を瞑っていた。


「そんな非情な男じゃないのにな…」


苦笑いを浮かべ、震えている肩に手に持っていたワイシャツをソッとかけた。

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あきゅろす。
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