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ハニーキャット

1年達が騒ぎ近づいてきた為に囲んでいた一人の生徒が目に入ってきた。
そこには、騒いでいる奴等より遥かに小さく弱そうな奴がワイシャツを引き裂かれズボンを脱がされかけていた。

俺に注目がいった隙に自らを守る為なのか亀の甲羅のように丸くなっていて顔は見れない。
だが、きっと泣いているんだろう…と予想はついた。
その証拠に体をガタガタと震わせていたから。

あーあ…せっかく、気持ちよかったのに。
こんなの見せられちゃ気分最悪だ。


「ハル先輩なんでこんな所に?」

「…あれ、知らなかった?俺よくココ使うんだよ」


上っ面だけの笑顔を浮かべながら答えた。
そうすれば「ヘェーそんなんスか」とアホ面で言ってきた。

コイツらマジで知らねぇのかよ。
こりゃ教えてやらにゃいけないな。
内心呆れながら携帯を取り出し…


「お前ら部活は?」

「え…えーと、バスケです」

「右に同じく!」

「俺はテニス」

「帰宅部です」

「そっ…」



所属している部活を聞き出し、直ぐ様、携帯のアドレス帳を開き短く返事をする。

バスケ部とテニス部の部長は…あった。
問題は帰宅部か。


「帰宅部!親しい先輩とかいるか?」

「え、あ…2年の田中先輩」

「2年の…2‐4のか?」

「は、はい…」

「ふーん…」


それを聞き、再び指を動かす。
メールの新規作成画面を開き、素早く内容を打ち込み送信ボタンを押して携帯を閉じる。
1年達に目線をやれば、俺の行動に困惑しているようだった。

安心しろよ。すぐに分かるから。

と言う意を込めて微笑んだ。
その一分後…

ピロピロリンピロピロリン
ブブッブブッ…
ジャガジャンジャガジャ


一斉に1年達の携帯からバイブ、着信音が聞こえてきた。

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