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それが、君と、


ねえ半田。

松野が珍しく甘えたような声で呟いた。

「……んだよ、あと重い。」
「半田のくせに生意気。」

後ろからぐったりと寄り掛かってきた松野を引きはがそうとするがなかなか離れない。

「半田ーみっつお願い聞いてー」
「だーれが聞くかってぎぶぎぶっ!」

首に回した腕で首を締めた。なんだ俺を殺したいのか松野さんは。

「ひとつめー」
「おいっ、」

「ぎゅーってして」


ん?松野何言ってんだ?今の状況わかってんのか?

「……あのーこの状況的には無理じゃね?」
「いいんだ、抱きしめられたくないから」

まっすます意味わかんないんですが、何、一体どうすればいいんだこれは。

「ふたつめー」
「してないのにふたつめむぐっ!」

松野の温かな手に口を塞がれた。一体何をするつもりなのかと身構えた。

「名前で、呼んで?」
「……む?」

だめ、ほんとに意味わかんない。おかしいだろ、口塞いでそれか。あ、口塞いだのは呼ばれたくないからだからね、と松野が付け足す。じゃあ何故お願いに入れる。
……正直驚いた。松野にこんなこと言われたの初めてだ。まあ呼んだこともないけど。

「はなひて。」
「………嫌」

声が震え気味になってる松野が可愛くて可愛くて……願い全部叶えてやろうと思った。

だ、か、ら。


「っひ、い」
「ぷは、」

べろりと松野の掌を舐めてやれば案の定身を後ろにひいて手を離した。

「松野、」
「うあっ…」

くるりと身を返し驚いている松野を胸元に引き寄せた。松野が抵抗するので耳元で囁く。

「空介」
「っ、ば…、か……」

耳まで赤く染めた松野が恥ずかしそうに胸元に顔を埋めた。最後はねーの?そう聞けばやっと口を開いた。

「さい、ごー」
「…………」

わざと間延びしたような語尾で言ったが耳がものすごく赤いのがわかった。大人しく聞いていたが、松野がなかなか言わない。不思議に思いながら名前を呼ぶ。

「……くうす」
「…キス、したい。」

でもここから離れない。そう言いながらますます強く抱きしめた松野をこのままにしておきたい反面、最後の願いを果たしたいとも思った。

「……松野ー離れないとキスできない。」
「しなくて、いい。」
「それが俺と1番したいことじゃないの?あ、俺もしたいけどさ!」
「っ、半田うるさい生意気!」

さあ、どうすっかなあ。
どうやって松野を引きはがしキスをするか、俺は一生懸命考えながらも抱きしめる腕を弱めなかった。




それから、君と、に提出!
お題に沿えてますか沿えてませんねすみません。今回はデレ松野が。ツン松野も好きだけどデレ松野の可愛さは尋常じゃない。半田はたまにリードするとちょうどいい^^




あきゅろす。
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