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誰が好きになるものですか

俺は今ゲームをしている。

ものすごく重要で、そしてものすごく下らないゲームだ。








「正臣君」

「なんですか?臨也さん」

臨也さんは振り返った俺を見てニヤリと笑った。

「ゲームをしない?」

「ゲーム?カセット何にします?」

テレビゲームに手を伸ばしたら手をつかまれる。
「違うよ。そうじゃなくて、賭けをしないかってこと」

「賭け、ですか」

「そう」

別に自信がなかったらしなくてもいいんだけど。
そう嘲笑うかのように言ってきた臨也さんにムカッとした俺は咄嗟にいいですよ、と言ってしまった。



言ってしまったんだ。


臨也さんが言うことにロクなものはない。
そんなこと分かりきっていたはずなのに乗ってしまった自分を恨む。



「どんなゲームかっていうと、この一週間で正臣君を俺のものにするっていうゲーム」


…何も言えない。
大体、ゲームをしようとか言いながらプレイヤーは臨也さん一人だ。俺はただのターゲットであって。



「ねえ、しようよ。」

「嫌で「拒否権はないけど」


だったら聞くなっていう話だ。
死ね。このすすわたりめ。


「あ、今正臣君俺に対して失礼な考え持ったでしょ」
「いえ、別に。で、ルールは?」

「今言った通り。正臣君が俺のことを好きになったら俺の勝ち。で、ならなかったら負け」

「俺にどんなメリットが?」


臨也さんは何も言わない。
いや、言えないが正しいか。

「まあ、とにかくそういう事だから」

逃げやがった。
思わず乾いた笑みが漏れた。



負ける気がしない。

本当にあんたなんか








誰が好きになるものですか



(なんて言って本当はもう俺のこと大好きなくせに)(殴りますよ?)


あきゅろす。
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