風の中
2
今日も調子に乗りつつパトロール。
今日は金曜だからー、明日から2日間も長谷川さんに会えないじゃないか。
よし、今日の内にたっぷり眺めておこう。
そう心に決めて、一階の一番奥にある部屋の玄関を開けた瞬間だった。
「ぅおっ!?」
誰かによって中に引きずりこまれる。
なんだなんだなんだ。
なんと3人がかりで押さえ込まれた。
俺は体格がそこまでいいわけじゃないから、こうやって数人一気にかかってこられるとちょっと厳しい。
しかも今回不意打ちだったから余計に。
そのまま引きずられて、リビングに連れていかれる。
もしかしたらどっかで隙をついて倒せるかもなんて、そんな甘い考えは、リビングにいたもう3人の姿に打ちのめされた。
正直、1対6で勝てる見込みはない。
Yシャツを剥ぎ取られながら、ゴリラたちを睨む。
「いやぁ、お前のせいで俺ら2週間も謹慎処分だったぜ」
……こいつら、俺が捕まえたやつらか。
ごめん、顔忘れてた。
「で、まぁ…ボコってやってもよかったんだけど…。それだと目立つし?強姦しちゃえば、お前もまさか言えねぇだろ。風紀の自分が強姦されました、とかな」
「……………」
下劣な笑い声が響く。
マジで言ってんのか、こいつら。
「お前結構キレイな顔してるしよぉ。みんなでおいしくいただいちゃおうってなったの」
「……クソが」
「そういうこと言ってるとあーんな写真撮っちゃうぜ?」
「お前元から撮るつもりだっただろー」
「まぁな」
……だからその笑い声ウザいしキモいから。
やめてくんねぇかな。
「つーわけで、おとなしくしといてくれれば、俺らもそんな痛くしないから。血まみれん中に突っ込むとか嫌だしよぉ」
「あはは、同感!」
それ以前に突っ込まれること自体が嫌なんだけど。
くっそ…。
やけに頭が冷めていた
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