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風の中
委員長
俺、北原琉衣には、憧れの人がいる。

「北原、こっち来い」
「うす!」

それはもちろん、我らがトップの風紀委員長、長谷川昴様である!

もう、超かっけぇの!

憧れっつっても、ね。
片想い中でもあるのですよ。

てか長谷川さんに惚れない人とかいないだろ。
だってかっけぇもん。

風紀委員長のデスクに座っている長谷川さんの元へ駆け足ー。

「なんでしょう!」
「お前暇?」
「めっちゃ暇人です!」
「んじゃこれ、会長さんまで届けてくれるか?」
「余裕で余裕っす!」
「はいはい、頼んだぞ」
「うす!」

そんな苦笑いもかっけぇっすね!


デスクでバリバリ書類を片付けている副委員長や他の委員を横目に見ながら風紀室を出る。

どうも俺は頭が悪いらしい。

ああいう書類とか、紙飛行機にしちゃうタイプ。
だから、全然役に立たない。
悲しい。

でも、学園内の強姦被害とか喧嘩騒動の時は、俺みたいに腕っぷしに自信のある委員が活躍する。

ゆえに俺の風紀での仕事は、校内パトと雑用。
雑用は別に嫌じゃない。
長谷川さんにもらった仕事はなんだって嬉しい。


最近よく聞いてる曲をフンフフンって口ずさみつつ、生徒会室に到着。

豪華な扉をパターンと開いてから、ノックを忘れたことに気づいた。

「お前またノックしないで…って、え――」

パタン。

扉を閉める。

いけないいけない。
会長さんはノックしないと文句を言ってくるんだった。

コンコン。

今度はノックをしてから扉を開く。

「ちわーす」

「……うん、今さらノック?」

「書類届けに参りました!」

「あー、ぉぅ…ご苦労」

会長さんが座ってるデスクに歩いて向かう。

他の役員の方々がスレ違いざまに声をかけてくれる。
よっ、とか、元気か、とか。
うん、いい人たちだ。

「会長、これ、どーぞ」
「ああ、サンキューな」
「いえいえ!では、これにて」

「あ、茶でも飲んでくか?」

「あー、止めときます!」

早く長谷川さんに誉められたいのである!

「そうか。じゃあ、気を付けてな」

「あざまーす!」

ペコッとお辞儀をしてから生徒会室を出る。

フンフフン。









俺は長谷川さんが大好きなのである!

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