哀色
劣等
つまらない。
なんでこんなつまんねぇんだよ。
高校入ってからというもの、何1つ楽しいと思えない。
せっかく優とクラス離れて、もう惨めな思いしなくて済んでるっていうのに。
あいつはいつも、俺の上にいた。
唯一得意だったバスケも、あいつの前じゃただの下手くそだった。
正直ずっと劣等感抱えて生活すんのも疲れたから、開きなおってひたすらあいつを誉めることにした。
でも心の中じゃ余計に劣等感は積っていくばかりで、どうしようもない思いを燻らせてた。
ただ1つ救いだったのは、あいつが決して俺を誉めなかったこと。
あいつが俺を誉めた瞬間、俺の中の何かが終わってた気がする。
結局俺は自分の本心を隠したままあいつと友達のふりをしていた。
高校では絶対にクラスが離れるとわかっていたから、なんとか我慢できたんだと思う。
高校じゃあ、能力とかでクラス分けられるからね。
俺が優と同じクラスになるはずがない。
高校になってからは、本当に劣等感を感じることがなくなった。
さっきなんか、ついに縁まで切っちゃったし。
ただ、ありがとうと言われた時はすごくイラっときた。
最後までいいやつを通そうとするあいつに、ムカついた。
まぁ、そんなのもこれで最後だ。
そう思うのに罪悪感が拭いきれないのは、あいつが本当に俺のこと大切にしてくれてたからだろうか。
そこまで考えて、なんだか面倒くさくなったから、もう考えるのを放棄した。
この時ちゃんと自分の心と向き合っていたら、なんて
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