[携帯モード] [URL送信]

哀色
劣等
つまらない。

なんでこんなつまんねぇんだよ。

高校入ってからというもの、何1つ楽しいと思えない。

せっかく優とクラス離れて、もう惨めな思いしなくて済んでるっていうのに。

あいつはいつも、俺の上にいた。
唯一得意だったバスケも、あいつの前じゃただの下手くそだった。

正直ずっと劣等感抱えて生活すんのも疲れたから、開きなおってひたすらあいつを誉めることにした。

でも心の中じゃ余計に劣等感は積っていくばかりで、どうしようもない思いを燻らせてた。

ただ1つ救いだったのは、あいつが決して俺を誉めなかったこと。
あいつが俺を誉めた瞬間、俺の中の何かが終わってた気がする。

結局俺は自分の本心を隠したままあいつと友達のふりをしていた。
高校では絶対にクラスが離れるとわかっていたから、なんとか我慢できたんだと思う。
高校じゃあ、能力とかでクラス分けられるからね。
俺が優と同じクラスになるはずがない。


高校になってからは、本当に劣等感を感じることがなくなった。

さっきなんか、ついに縁まで切っちゃったし。

ただ、ありがとうと言われた時はすごくイラっときた。
最後までいいやつを通そうとするあいつに、ムカついた。



まぁ、そんなのもこれで最後だ。



そう思うのに罪悪感が拭いきれないのは、あいつが本当に俺のこと大切にしてくれてたからだろうか。


そこまで考えて、なんだか面倒くさくなったから、もう考えるのを放棄した。








この時ちゃんと自分の心と向き合っていたら、なんて



[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!